タイムラインにおすすめが流れてきて気になった一冊。
あらすじ
書物が大好きな少年、呉承恩は、文字を食べたがる不思議な少女と出会う。彼女は玉策という、すべての生死を記録した禄命簿が人の形をとったものだった。承恩は彼女をめぐる戦いに巻き込まれることに……。
本を食べる少女と本の虫の少年の珍道中
話はシリアスなんですが、承恩と玉策のやりとりはわいわい明るくて、情景を想像すると楽しかったです。
玉策は世間知らずではありますが、情に厚く、健気な心の持ち主でした。振り回し系のヒロインですが、彼女になら振り回されてもいいかなと思えてきます。
それをサポートする承恩も、冒険をしているうちにどんどんたくましくなってきて嬉しかったです。やっぱり少年の成長は物語の醍醐味ですよね。
奔放な少女と内向的な男の子が、力を合わせて状況を打破していくストーリーは、王道でしたがよかったです。
それゆえに、ラストはちょっと悲しかったですが……これはもう少し救いのあるエンディングでもよかった気がします。
説明口調が多すぎてげんなり
ストーリーや世界観そのものは好きですが、やたらと説明的な文章が多いのには辟易しました。
文学や物語がテーマゆえに、そういうシーンが多くなりがちなのは仕方ない部分もあるでしょうが、ここまで多いとさすがに飽きてきますね。
あともっと説明してほしいと思ったシーンが飛ばされることが多かったので、その点も気になりました。
せっかくキャラクターは魅力的なのに、それを無理にストーリーラインに沿わせてしまっている気がします。一応行動の理由はわかりますが、どこか白々しく感じてしまってうまく話に載れませんでした。もっと生き生きと描いてほしかったです。
まとめ
ストーリーそのものは好きなんですが、書き方が好きではなかったなあという話でした。
よっぽど琴線に触れない限り次の作品は読まないかな。