ブックワームのひとりごと

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二人の恋が世界を変える物語 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月蝕の復活譚』感想

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スカーレット・クロス―月蝕の復活譚 (角川ビーンズ文庫)

吸血鬼の小説を読むシリーズ。何冊目かはもうすっかり忘れてしまいました。

やっと最終巻。少ししんみりしますね。

 

あらすじ

「聖櫃」を目指して旅をしてきたギブは、ツキシロと再会する。お互いの愛を確認し、聖櫃を閉める覚悟を改めて決めるツキシロ。一方ギブが、ツキシロのために下した決断は、世界を変えるものだった。

 

スケールのでかい展開が楽しかった

この巻はとにかくスケールが大きくて楽しかったです。

ハクティバとイブリスが融合しようとするシーンは、ツキシロと一緒に「きれいだな」と思いました。その部分のイラストも神秘的でよかったです。

ギブが世界の命運をかけた戦いをするシーンも王道だけどそれゆえにわくわくしました。中二病力が高くて昔を思い出しますね。

読み終わった今思うと、ギブとツキシロの関係はちょっとセカイ系っぽいですよね。彼らの関係が世界を変えたんだ……。

ちょっと前のライトノベルだけあって、いろいろ懐かしい要素がありました。でもそこが新鮮に感じられます。

 

みんな幸せになってね!

ラストは駆け足でもなく、冗長でもなく、きっちり終わってよかったです。

大団円とはちょっと違いますが、それぞれの日常に戻っていけたようで幸せな気分になりました。

エピローグも読者をしんみりさせる要素があって、余韻のあるいい終わり方だと思いました。

すごく好き、というタイプの作品ではなかったのですが、構成が自然で楽しめました。

キャラクターも生きたいように生きつつ、彼らなりの倫理観を持って行動していたところが好きです。お仕着せの良心ではなく、考えをもって良いことをなしていました。

最初は読みにくかったんですが、デビュー作としては、完成度の高いシリーズになったと思います。

 

まとめ

くせの強い聖職者たちのドンパチが楽しかったです。最後まで楽しませてもらいました。

ツキシロがこれからも元気にギブとけんかしてくれますように。

 

混ざりものの月―スカーレット・クロス (角川ビーンズ文庫)

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