吸血鬼の小説を読むシリーズ。この表紙ちょっとセクシーな感じですね。
あらすじ
自身の母親をヴァンパイアとしてよみがえらせたレスタト。彼女と別れたレスタトは、伝説的吸血鬼マリウスを探し旅をする。マリウスの口から語られた、吸血鬼という種族の誕生秘話とは……。
スケールの大きな誕生秘話
マリウスの語る、スケールの大きい吸血鬼誕生秘話が面白かったです。
話は古代へと飛び、神話や伝説を絡めて語られていくのはわくわくしました。フィクションだということはわかっていますが、本当にそういう伝説があるのかもしれないと想像してしまうくらいでした。
半面、そのストーリーが長く、読みにくいので読むのにはかなりの時間を要してしまいました。古い翻訳もののくせもあるので、慣れていないとけっこうつらいかもしれません。
でもその「読みにくさ」も雰囲気の一つと思えばさほど欠点にならない気もします。こういう話が読みやすかったら逆にしっくりこないかもしれないし。
ヴァンパイア、夜明けのヴァンパイアを語る
エピローグの「夜明けのヴァンパイア」の部分にはびっくりしました。
レスタトがルイに尋常ならざる感情を抱いているのはわかっていましたが、ああいう風に明言されるとはなあ……。
とはいえそれは自然だったので、話として違和感はなかったです。
視点が違えば、こうも見え方は違うのかと面白かったです。もちろんルイとレスタトがどれだけ本当のことを言っているのかはわかりません。それが語り形式の小説の面白いところですね。
エピローグのさらにあと、ロックスターになったレスタトは面白くてかっこよかったです。
レスタトのライブ、めちゃくちゃ生で見てみたいですね。
まとめ
かなり読みにくかったですが、耽美で面白かったです。
続きを示唆するような終わり方をしていたので、また機会があったら呼んでみたいですね。