ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ひたすら悪趣味で残酷な結末に震えた 野崎まど『[映]アムリタ』感想

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

楽天のポイントが余っていたので購入しました。前々から欲しかった本です。

 

あらすじ

自主映画製作に誘われた役者で大学生の二見。彼は渡された絵コンテを二日間ぶっ通しで読んでしまった。そのコンテを作ったのは最早というひとつ後輩の女性だった。二見は映画製作をするうちに彼女の心をはかりかねるようになる。

 

読者の期待を裏切る悪趣味なオチ

何はともあれ、この作品で語られるべきはあの悪趣味なオチだと思います。

ある意味読者の期待を全力で裏切ってくるので、不愉快に思う人もいるでしょう。ですが私は吹っ切れてて好きです。ここまで全力投球してくれると何も言えなくなりました。

いやほんと、嫌いな人は「なんでこんな本読んでしまったんだろう」と後悔するレベルだと思いますよ。しかし悪趣味さを娯楽として読む人には、かなり面白い作品ではないでしょうか。

ネタバレしてしまうと、何の意味もない作品なので詳しく話せないのが口惜しいです。ぜひ何の情報もないまま読んでほしいですね。本当は、こんなレビューも意味のないものなんですよね。

 

テンポのいい会話で読ませる

オチ以外は見どころがないように聞こえてしまうので補足しておきます。ストーリーの中の会話や掛け合いが面白くて読んでいて楽しかったです。

電撃大賞に応募された作品らしい、ポップでチープで、外連味があって、嘘を嘘のまま楽しめるような作品でした。

ただ、今になって序盤の楽しそうな風景を思い出すと、もっとオチの悪趣味さが際立ってしまいます。こんなに仲良く楽し気に過ごしていたのに、よくあんな真似ができたな。外道!

この楽しい会話シーンも、あの悪趣味なエンドを引き立てるために書かれたのだとしたら、作者が怖いですね。

 

まとめ

本当にめちゃくちゃ悪趣味な話なんですが、好きな人は好きだと思うので、変わった小説にチャレンジしたい方にはおすすめです。

面白かったにせよつまらなかったにせよ、読み終わって「うわあ……」となります。

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
 
know

know