本好きあるあるまんがでネタ元にしたのでお詫びに読みました。
あらすじ
破竹の勢いで成長していく新撰組。しかし将軍徳川慶喜が大政奉還し、風向きが変わる。官軍に追われ、戦いながら各地を転々とし、仲間の多くを失い、北海道にたどりつく。そこで迎えた新撰組の結末とは……。
滅びゆく新撰組の中で元気な土方
栄光の時間から、風向きが変わって滅びゆく時間になっていく対比が、なんだか物悲しいです。
でも、何かが滅ぶ話ってそれはそれで魅力があるんですよね。失われるものを惜しむ楽しさというのがあるからでしょうか。
しかしそんな滅びの時間の中で、戦うことしか考えていない土方は、ある意味潔いなと思います。ある意味、こういう生き方ができればすごく楽でしょうね……。
土方はよくいらいらしたりきりきりしたりしているけれど、本質的に不幸にはならないタイプの人だなあと思いました。すごくタフでうらやましいですね。
幸せな終わりではなかったけれど、それでも不幸ではなかった気がします。
すっごくエンタメ小説
読み終わって思い返すと、エンタメとして成り立たせる努力がすごかったなあと思います。
改行の多いところ、テンポのいい会話シーン、シンプルで読みやすい文体は、今読んでも古臭い感じがしません。テーマそのものは昔だけれども、すごく読みやすかったです。
タイプは違うけれど、現代のライトノベルにも通じるところがありました。
長いので読むのには時間がかかるけれども、とっつきやすい小説ではあるので、まずは気軽に読んでみてほしいです。
司馬遼太郎の本の中では、短いほうだと思いますし。
まとめ
歴史ものは、普段よく読むタイプの本ではないのですが、わかりやすさ、読みやすさにおいて学ぶところの多い小説でした。私もこんな明快な文章が書けるようになりたいです。
なるほどこれは流行りますわ。