ブックワームのひとりごと

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短編漫画からイラストカットまで小さな作品をまとめた本 森薫『森薫拾遺集』感想

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森薫拾遺集 (ビームコミックス)

ゆるゆる漫画を読みたいなと買ってみたら、漫画というより作品集でした。

 

書籍概要

『エマ』や『乙嫁語り』で人気を博した森薫。彼女の短編漫画、モノクロのイラスト、サイン会で配布したペーパーなど、小さな作品をまとめたよろず本。

 

エロいのに下品ではない

作者の絵は、おっぱいちちしりふとももなど、セクシャルな部分が強調されているのに、あまり下品な感じがしないのが不思議です。

知識で裏打ちされたエロスだから、見ていて不快になることがないのかもしれません。

それから、露出だけでなく、表情や、視線の行き先、独特の間をもってエロい漫画を描いています。あからさまなエロだけに頼らない筆力がありますね。

セクシーというのは露出が激しいとかシチュエーションがエロいとかそういうだけではないんだな、と思わせてくれる作品集です。

エロいエロいと言っていますが、そういうシーンのない普通の漫画もありますので、エロいなら読むのやめようと思わないでください……。

 

雑多なまとめゆえの面白さ

この作品集の面白いところは、短編漫画だけでなく、イラストカットや解説の仕事など、さまざまな絵の仕事の作品を収録しているところです。

ペーパーのような突発的な作品は、相当作家のファンでなければあまり目にする機会がないので、新鮮でした。

アガサ・クリスティの解説漫画も、こんな仕事してたんだ! と全く知らなかったのでびっくりしました。解説に漫画を描く意外性が好きです。

こういう作品集を他の作家も出してくれるとうれしいんですが、有名な漫画家でないと、収益を上げるのは難しいかもしれませんね。

イベントで描いたちょっとしたペーパー、とても見たいです。出してそのままなことが多いからなあ……。

 

まとめ

著者のファンというわけではないけれど、それでも面白かったです。情報量がとても多い作品集でした。

綺麗なイラストカットを見ているだけでも楽しいです。だらだら見るのにおすすめな一冊です。

森薫拾遺集 (ビームコミックス)

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