「これライトノベルが好きな人は好きそうだな」という本がたまってきたので、 第二弾を書きました。
第一弾はこちら。
『アナンシの血脈』ニール・ゲイマン 角川文庫
青年チャーリーの父が死に、チャーリーは自分の父親がクモの神アナンシだったことを知る。自分の兄弟がいると言われ、チャーリーは兄弟、スパイダーを呼び出した。しかし、スパイダーは不思議な力でチャーリーの人生をめちゃくちゃに……。
お祭り騒ぎのようなはちゃめちゃな内容。しかしシーンのひとつひとつがはっきり想像できて、映画を見たような満足感がありました。
ツッコミどころ満載だけれど、ファンタジーとして面白いから許してしまう本です。
- 作者: ニール・ゲイマン,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: 文庫
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『世界の終わりの壁際で』吉田エン ハヤカワ文庫
災厄が予言されている日本。一部の人は壁の中で守られ、それ以外は壁の外で細々と暮らしている。ネットゲームで賞金を稼ぐ片桐は、雪子というアルビノの少女と謎の人工知能に出会う。
わりとわかりやすいSF小説。今と地続きになった科学技術が多いので、苦手な人でも理解しやすいと思います。
エンタメらしいワクワクドキドキ感が味わえます。
『幕が上がる』平田オリザ 講談社文庫
地方の高校演劇部にやってきた新任の顧問が、彼女らの意識を変えていく。「大会で勝ち残りたい」という意思が、演劇のクオリティを高める。演出を担当することに主人公は、『銀河鉄道の夜』を翻案した脚本の結末に悩むが……。
文化部版熱血部活ストーリー。かっこよくて楽しいだけではない、それでもやりがいを感じる「演劇」の世界を垣間見ることができます。
最後の主人公の「気づき」に、共感する人も多いのではないかと思います。
『天盆』王城夕紀 中公文庫
「天盆」というボードゲームで立身出世をする国。捨て子の凡天は、幼いころに天盆の才能を見せ、貪欲に知識を吸収していく。凡天の家族は、それを見守り応援していた。やがて凡天は大会に出ることになり……。
ボードゲームが国を支配するというトンデモな設定ながら、読み進めていくうちにその面白さに夢中になります。
凡天の家族が、お互いを助け合って生きていくところもぐっときます。
『黄金の王 白銀の王』沢村凛 角川文庫
鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの氏族が王位を争い続けてきた翠(すい)の国。囚われていた旺廈の頭領薫衣(くのえ)は、鳳穐の頭領で現王の穭(ひづち)に協力を持ちかけられる。それは、長い争いを終わらせ、翠の国に平和をもたらすための戦いだった。
社会的なテーマを扱いつつも、筆致はクールで説教臭くなりすぎないところがよかったです。
そしてこの本は終わり方が大好きです。最初はびっくりしましたが、あとから思うとこれしかなかったと思います。
- 作者: 沢村凜
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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『有頂天家族』森見登美彦 幻冬舎文庫
父親が人間たちに狸鍋にされてしまった狸の四兄弟。しかしその息子たちは阿呆ばかりだった。主人公である矢三郎は、さまざまな姿に化けてふらふらしつつ、天狗や狸の間を駆け巡る。
毎日がお祭り騒ぎのようなにぎやかな作品です。「ありえないだろその展開」と思いつつ、そのありえなさが楽しいです。
たまに噴出する、キャラクターのめんどくささも愛しいです。
『フィーヴァードリーム』ジョージ・R・R・マーティン 創元ノヴェルス
事故で船を失った船長アブナーは、謎の富豪に出資を持ちかけられる。彼は船を作り、共同経営者になりたいと言う。「フィーヴァ―ドリーム」と名付けられた船は旅立った。しかし、富豪ジョシュア・ヨークには秘密があった。
人間と吸血鬼の友情ストーリーです。種族を超えた関係がとても熱いです。
アメリカの奴隷制と吸血鬼の組み合わせも、必然性があって面白かったです。
- 作者: ジョージ・R・R・マーティン,George R. R. Martin,増田まもる
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1990/10/01
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- 作者: ジョージ・R・R・マーティン,George R. R. Martin,増田まもる
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1990/10
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『血と霧』多崎礼 ハヤカワ文庫
血液が社会を回している巻貝都市。探索者のロイス・リロイスは、行方不明になった王子を探してほしいと頼まれる。見つかった王子となりゆきで共同生活を送るうちに、彼に情が移ってしまい何かと気にかけるようになる。
主人公が要素盛り沢山、しかしきちんと破綻なく書かれているのが好きです。ハーレム状態でも彼なら仕方ないなと思えます。
血が世界の中心である世界観も、面白くて好きです。
『晴れた日は図書館へいこう』緑川誠司 ポプラ文庫ピュアフル
図書館通いが趣味の小学生、しおり。図書館にはちょっとした謎があふれている。司書の美祢子さんとともに、小さな謎を解き明かしていく日常ミステリー。
日常の謎と図書館が上手く組み合わさっていて、読んでいると図書館に愛着を感じます。
子ども向けの内容なので教訓的な部分もありますが、それがメインというわけでもないのが読みやすいです。
(P[み]4-1)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)
- 作者: 緑川聖司
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2013/07/05
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(P[み]4-2)晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物 (ポプラ文庫ピュアフル)
- 作者: 緑川聖司
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2013/09/05
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『クワイエットルームにようこそ』松尾スズキ 文春文庫
オーバードーズで精神病院の隔離病棟に運ばれた「私」。多種多様な問題を抱える女性たちとかかわりながら、なんとか早く脱出しようと試みます。果たして「私」は正気なのか……。
ギャグとシリアスのあわいを行く内容が面白いです。怒涛のラストは、正気というものについて考えさせられます。
隔離病棟で暮らすキャラが非常に濃くて、笑っていいのかわからないけれど笑ってしまいます。
まとめ
というわけでというわけで、ライトノベル好きな人におすすめしたいライトノベル以外の小説10選でした。
また、おすすめしたいものが溜まったら第3弾も書きたいです。