陸奥守吉行が好きな友人がドはまりしていたので、内容が気になってディレイ配信を視聴しました。
今までの刀ミュで見たのはみほとせのみです。
その感想はこちら。
刀剣男士に子育てさせる残酷さ 『ミュージカル「刀剣乱舞」~三百年の子守歌~』感想
あらすじ
顕現したばかりの巴形薙刀は、主から部隊長を任される。新撰組刀を中心とした部隊の、出陣先は幕末。そこでは遡行軍が土方歳三に付き従っていた。新撰組の刀たちは、土方歳三を殺さなければならないと葛藤するが……。
陸奥守吉行のストイックさ
刀ミュはあらすじはかなり単純なのだけれど、その分キャラクターの性格の掘り下げに尺を使っているのだなあと思います。
特に陸奥守吉行はやばかった。友人が立ち直れなくなっているのがよくわかりました。
明朗で楽し気な性格の陸奥守ですが、その裏側では他人を心の中に寄せ付けない、孤独な人格があります。それがとても見ていてもどかしかったです。
陸奥守は、ああ見えてストイックなキャラなのかもしれません。誰に理解されなくても、自分の役割をこなす覚悟があるキャラでした。
ラストの、土方歳三を撃ち殺すシーンはめちゃくちゃしんどかったです。何がつらいかって、あれしか結末がないところです。人間だとバッドエンドそのものなのに、刀剣男士だからあれがトゥルーエンドなんですよね。
狂言回しとしての巴形薙刀
もうひとつ、興味深かったのが巴形薙刀の立ち位置です。
今回は非常にウェットで生々しいストーリーだったのですが、そこに「物語がない」巴形がいることによって、ある程度客観性があるストーリーになったと思います。
巴形は、物語がないからこそ、少し引いてこの出陣を見渡すことができるし、彼がいたからこそこの作品はただの悲劇で終わらないものになったと感じました。
いわば狂言回し的な立ち位置に、物語のない巴形を配置するのは、よくできた構成でした。
あと純粋に、巴形はかわいい。ちょっと空気が読めないところもあるんですが、素直でまっすぐです。そういうところに登場人物が救われたところもあると思います。
キャラクターの役割というものを意識して作られた作品でした。
業が深くて面白かったです。天狼伝も見たくなってきました。
2部はまだ見ていないので、ディレイ配信があるうちに見ておこうと思います。