蛇の話を読むシリーズ。
あらすじ
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。
(新潮社HPより)
槍舞いのシーンが印象的
やっぱり10年も前に読んだ本だと話をきれいさっぱり忘れてますね。
ただ、バルサが槍舞いをするところは、印象深かったので覚えていました。あの、叫びが形になったようなシーンが、美しくて悲しかったです。
あの瞬間、バルサは心を開き、すべてをさらけ出したからこそ、ヒョウルも答えたんだろうなあと思いました。
山岳国家サンガルの、厳しいけれど美しい風景や、日常生活が映画のように想像できてそれもよかったです。
貧しい国ですが、故郷を大切にするサンガル人の気持ちが理解できます。
バルサにとっては過去の因縁の清算で、それ以外のサンガル人にとっては愛郷心の発露の話だったと思います。
蛇と弔いと
蛇は出番は少ないけれど、印象的なシーンに登場していました。
使われ方を見ると、「死と再生」と、「水神」のイメージですかね。
脱皮して成長する蛇と、父祖を弔い前に進んでいくことの組み合わせは、まさにぴったりでした。
あとがきに「大人に人気がある巻」だと書いてあったけれども、こういう弔いというテーマは、そこそこ年齢を重ねるとぐっとくるんだろうなと思います。
私はまだ「面白いなあ」と思うくらいなんですが、もう少しして親を看取る年齢になったら、また変わってくるのかもしれません。
まとめ
久しぶりに読んでみると、やっぱり面白いなと思いました。
実はまだ読んでない巻があるので、そのうち消化したいですね。
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