ブックワームのひとりごと

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密着警察24時!違法売買される動物たちを救え!―福原秀一郎『警視庁生きものがかり』感想

警視庁 生きものがかり

今日の更新は福原秀一郎『警視庁生きものがかり』です。

ネットでちらっとタイトルを見かけて、面白そうだなと思ってほしいものリストにシュートした本です。

 

あらすじ

警視庁生活安全部生活環境課。そこでは希少動物の密輸入や違法な売買を取り締まっている。密輸業者との駆け引きや、動物を扱う部署ならではの悩みを、現役警察官の著者が話すノンフィクション。

 

動物をテーマにした、硬派な警察捜査記録

ある意味タイトル詐欺です。こんなほのぼのとしたタイトルなんだから牧歌的な話かと思うじゃないですか……。

書かれているのは息を持つかせぬ密輸業者との駆け引き、執念のような捜査の網、その中で語られる、勝手に連れてこられた動物たちの災難。

警察24時が好きな人はこの本も好きだと思います。

ただ、そういう「面白さ」一辺倒ではなく、ペットを飼おうとする人々の業の深さや、違法な密輸によって傷つけられている動物たちの悲しさもあって、テーマとしては非常に硬派な内容でした。

 

この本には亀山(仮名)という密輸業者が登場します。この人はほぼ完璧な書類を偽造し、密輸した動物を「日本で繁殖させたもの」と嘘をついて売買しました。

結局彼は生活環境課に逮捕されるのですが、刑期を終えて著者に連絡してきます。

「僕は福原さんがどこかの部分で僕を認めてくれているのもわかるし、僕は福原さんのやっている仕事をすごいなと思っている部分がある。今後、僕は悪いことをするつもりはまったくない……。福原さんがもしこちらを必要とするのなら、なんでも聞いてほしい。福原さんをハメたりすることもないし、うまい関係でやっていけたらいいと思っている」

(P60~70)

更生した犯罪者が協力者になるところがとても熱くてわくわくしました。と同時に、頭のいい狡猾な犯罪者にここまで言わせるというのは、著者の人徳を感じます。このシーンは非常にかっこよかったです。

 

まとめ

警察に興味のある人、生き物に興味がある人にはおすすめの一冊です。

タイトルとは裏腹に、硬派でハードボイルドな話でした。多くの人に読んでほしいと思います!

警視庁 生きものがかり

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