ブックワームのひとりごと

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描きなれていないがストーリーは好き―伊蔵ユズコ『森の中書店つれづれ』感想

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森の中書店つれづれ (花とゆめコミックス)

今日の更新は、伊蔵ユズコ『森の中書店つれづれ』です。

一冊完結の漫画を買いだめしたうちの一冊です。

 

あらすじ

ごく普通の本屋さん、「森の中書店」で働く書店員の山田くん。毎日忙しく働いている。その中でお客さんと交流をするうちに、みんなさまざまな事情を抱えていることを知り……。本屋をテーマにした連作短編漫画。

 

本屋さんの交流物語

本屋さんと、お客さんたちの交流物語というと結構べたですが、着眼点がいい展開が多く楽しめました。

ストーリーもちょっとひねってあって面白かったです。

 

個人的に好きなのは分冊百科の回。離婚した父親と定期的に会う少女は、父親とロボットを作る分冊百科を買ってふたりで作っています。

父親に冷たく当たりますが、実は……という展開。

彼女が父親と距離を置こうとする理由が意外で、それでいて理解できるものでした。ふたりで一緒にいられるといいですね。

 

ただ、ストーリーの見せ方やせりふ回しに違和感を覚える部分がありました。どうしてもわざとらしい感じになってしまっています。

この辺は上手い下手というよりも、ただ単純に描きなれていないんだろうなと思いました。

デビュー作なので、そのあたりは仕方ない部分もありますね。

 

まとめ

まだまだ荒いところもありましたが、基本的なストーリーは好きなのでこのまま成長してくれるといいですね。

 とはいいつつこの作者、4年新刊が出ていないんですね……諸行無常

森の中書店つれづれ (花とゆめコミックス)

森の中書店つれづれ (花とゆめコミックス)