ブックワームのひとりごと

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たらし王子と生きている薬の恋愛模様がかわいい―三田千恵『トリア・ルーセントが人間になるまで』感想

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トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

今日の更新は『トリア・ルーセントが人間になるまで』です。

私事ですが、いったん完成まで書いた記事が消えてショックです。もうやだ!!

 

あらすじ

ジンドランの王子ランスは、病気の王を助けるために薬の取引に向かう。そこで出会ったのはトリアと護衛のロサ。トリアは、生きている薬だった。ランスは、ロサに「トリアと恋をしてほしい」と頼み込まれるが……。

 

ふたりを応援したくなる

「主人公は女慣れしている」という設定のため、普通にトリアに優しくできるしロサにも紳士的です。そこは読みやすかったです。そして女慣れしている主人公って結構新鮮でした。

ヒロインのトリアも、尖った設定はないけれどかわいいキャラでした。純真だし素直だし、真面目なので優しくしたくなります。読んでいてほっとするヒロインでした。

そんなふたりをくっつけようとたくらむロサが、コメディタッチで面白かったです。そして、その真意が明かされたときは少し寂しくなりました。

この三人の組み合わせはバランスが良くて、読んでいて楽しかったです。恋をするふたりと、成就を願うひとりの関係はほほえましかったです。

 

ただ、世界観や不思議アイテムの設定が「どこかで見たような」感じになっているのはちょっと残念でした。

パクリとか言いたいわけではなくて、よそから持ってきた設定を自分のものとして落とし込みきれていなかったなと。

 

あと、ほのぼの童話的な世界観なのに、序盤から露出度の高い挿絵があるのもつらかったです。まあそのほうが売れるっていうのはわかっているんですが……。

 

まとめ

少し不満もありましたが、全体的には面白かったです。

次回作があれば、不満点が解消されているといいなと思います。

トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)