ブックワームのひとりごと

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「上手いこと言った感」があまり好きではない―天野慶『短歌のキブン』感想

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短歌のキブン

今日の更新は、天野慶『短歌のキブン』です。

 

書籍概要

自由な等級、レイアウト。若い歌人天野慶が、絵本のような形式で、短歌を乗せていく歌集。

 

「うまいこと言った感」がある

興味深くはありましたが、あまり好きなタイプの作品ではなかったです。作品の中に「うまいこと言った感」をどうしても覚えてしまうんですよね。

そう思うと、私は直球の表現の方が好きなのかもしれません。

こういうのが好きな人の気持ちも少しはわかるし、完全に個人的な趣味の問題なんですけど。

 

短歌はイラストと組み合わされていて絵本のようになっています。これ、作るの面倒そうだな……(デザインをかじったことのある人間の感想)。

作品とレイアウト自体は読みやすいので、肩の力を抜いて読める本だと思います。

 

以下、好きだった作品をいくつか。

 

君たちが言わなくなれば死語になる戦隊ヒーロー正義を叫べ(P46)

ほほえましいけれど、どこか現代へのやりきれなさも感じる詩です。遊園地のヒーローショーを思い出します。

 

宇宙ステーション増設されていく夜の路地に残った花火の匂い(P73)

友人に宇宙が好きな子がいるので、その子のことを思い出しました。

路地ということは、手持ち花火かな。誰と花火をしたんでしょうか。

 

まとめ

 表現としては興味深かったけれど、自分の好みじゃないというややこしい感想になってしまいました。

ひょっとしたら、もう少し年齢層が上の人の歌のほうがしっくりくるのかもしれません。

それを踏まえて、また歌集を読みたいですね。

短歌のキブン

短歌のキブン