今回の更新は、恋愛ファンタジーのおすすめ記事です。
ファンタジーは数多く読んできましたが、恋愛に縛るとなかなか難しいです。私が読む者は、恋愛がメインでないものが多いんですよね。
この記事は、がんばって恋愛関係にフォーカスされているものを中心に選びました。
- 『森の魔獣に花束を』小木君人 ガガガ文庫
- 『ヴァンパイア・サマータイム』石井博品 ファミ通文庫
- 『そして花嫁は恋を知るシリーズ』小田菜摘 集英社コバルト文庫
- 『紙の魔術師三部作』チャーリー・N・ホームバーグ ハヤカワ文庫
- 『後宮小説』酒見賢一 新潮文庫
- 『耳刈ネルリシリーズ』石川博品 ファミ通文庫
- 『狐笛のかなた』上橋菜穂子 新潮文庫
- 『ぬばたまおろち、しらたまおろち』白鷺あおい 創元推理文庫
- 『RDGシリーズ』荻原規子 角川文庫
- 『勾玉三部作』荻原規子 徳間文庫
- 『王女コクランと願いの悪魔』入江君人 富士見L文庫
- 『魔女の宅急便』角野英子 福音館文庫
- 『ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間文庫
- 『ようこそ女たちの王国へ』ウェン・スペンサー ハヤカワ文庫
- 『プリンセスハーツシリーズ』高殿円 ルルル文庫
- 『遠征王シリーズ』高殿円 角川ビーンズ文庫
- まとめ
『森の魔獣に花束を』小木君人 ガガガ文庫
名家に生まれた少年クレヲは、跡継ぎになるための修行に出なければならなかった。その旅の先で出会った少女は魔獣で……。植物系モンスターと少年の恋物語を描いた、童話チックなファンタジー。
異種間恋愛としてひたすら直球。でもそこがいい話です。主人公ふたりの恋愛模様には、ほのぼのしてしまいます。彼らがずっと幸せに暮らしてくれることを望んでしまいます。
そして、終盤の盛り上がり方はどきどきして面白かったです。
読み終わると、心が温かくなる小説です。
『ヴァンパイア・サマータイム』石井博品 ファミ通文庫
吸血鬼と人間が共生する世界。親の経営するコンビニでアルバイトをしていたヨリマサは、吸血鬼の少女と出会う。少しずつ惹かれていく二人だったが、彼らの間には種族の壁があった。
恋愛っていいな、と思える青春恋愛小説。優しくてどこか儚い、丁寧な心理描写が魅力的です。
吸血鬼と人間が夜と昼に分かれて暮らしている世界観も面白いです。もしも吸血鬼がいたら……というもしもの世界が興味深かったです。
『そして花嫁は恋を知るシリーズ』小田菜摘 集英社コバルト文庫
「花嫁」をテーマにした同一世界観の連作ファンタジー。基本的に一冊完結なのでどこからでも読めます。
胸キュンの恋愛模様を描きつつ、ストーリーはシリアスです。はらはらしたスリルとどきどきする萌えを両方摂取できるのがお得感があります。
異世界ファンタジーだけれどモデルとなった歴史上の国があり、歴史が好きだとちょっとにやっとできます。気になった方は、調べてみてはどうでしょうか。
挿し絵もとてもかわいいです。
『紙の魔術師三部作』チャーリー・N・ホームバーグ ハヤカワ文庫
物質にまつわる魔術がある世界。いやいや紙の魔術師になったシオニーは、セインという師匠と一緒に暮らすことになる。
ちょっと軽率だけれどガッツのある主人公が、惚れた男性を救うために大暴れするところが楽しいです。
物質の魔術を使って大がかりなバトルをするシーンも、かっこよくて最高です。ドンパチしていて爽快感があります。
にぎやかで、そしてシリアスな小説でした。
『後宮小説』酒見賢一 新潮文庫
後宮に入った銀河という少女。正妃となった彼女は、国の命運を握る戦いにかかわることになる……。
シリアスなのにどこかとぼけた雰囲気が魅力的です。淡々としつつユーモアがあるので、肩の力を抜いて読めます。
王と銀河のふんわりとした、しかし絆はしっかりある関係が愛しいです。爽やかで優しい、少し切ないラブストーリーでした。
『耳刈ネルリシリーズ』石川博品 ファミ通文庫
ソビエト・ロシア風の国の寄宿舎に入学した少年が、ネルリというお姫様に出会いはちゃめちゃな学校生活を送る。
パロディ過多の冒頭からラブストーリーに着地する、どこから突っ込んでいいのかわからない作品。謎の疾走感があります。そしてラブストーリー部分がきれいなだけに、「何だったんだこの作品は」となります。
打ち切りっぽく終わるし、文体はかなり評価が分かれると思うけれど、私はめちゃくちゃ好き。
『狐笛のかなた』上橋菜穂子 新潮文庫
人の心の声が聞こえる小夜は、犬に追いかけられていた子狐を助ける。子狐は、ふたつの国の戦いにかかわっていた。
幻想的な和風ファンタジー。人間の女の子を慕い、守ろうとする狐の野火がいとおしいです。読んでいるだけで苦しくなってきます。
そして終わり方が最高に美しいです。あのラストシーンは何度も思い出しました。人と人外の関係性が好きな人には、ぜひ読んでほしい作品です。
『ぬばたまおろち、しらたまおろち』白鷺あおい 創元推理文庫
妖怪が住むという村で暮らしている綾乃。幼なじみの大蛇のアロウにプロポーズされ、困惑したのもつかの間、サーカスから逃げ出した蛇に襲われて……。
人でないものとの初恋から始まって、不思議な学園にたどりつき、時間軸の不思議に
首をひねる……と、二転三転するにぎやかなストーリーが魅力的です。
大蛇アロウとの恋愛模様も続きが気になって仕方がなかったです。そしてあざやかにエンドマークをつけてのけるところに感服しました。
『RDGシリーズ』荻原規子 角川文庫
玉倉山の神社で暮らしている泉水子(いずみこ)は、東京の鳳城学園に入学することに決められてしまうが……。
シャーマン的な力を持つ子供たちが集まる学校、不思議なことが起こらないはずがない! ということで日々ファンタジックなできごとが多発する学校生活が面白いです。
そして幼馴染の深行との、マイナス印象から始まるラブストーリーはかわいいです。少年少女を応援したくなりますね。
- 作者: 荻原規子,酒井駒子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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『勾玉三部作』荻原規子 徳間文庫
不思議な勾玉をめぐる、日本神話をモチーフにしたファンタジー三部作。
シリーズそれぞれに少年少女のペアがあって、彼らが過酷な運命に抗っていくのが作品全体のテーマです。
惹かれあうことで時に苦しみ、時に救われる関係はとても萌え&燃えます。ストーリーそのものも息をつかせぬ展開ばかりなので、はらはらしながら読みました。
日本神話を換骨奪胎していく世界観作りも素敵です。神話が好きなら一度は読んでほしいです。
『王女コクランと願いの悪魔』入江君人 富士見L文庫
王女コクランと出会った悪魔が、彼女の「願い」を聞きだそうと努力する。が、そこには王宮の陰謀の陰があった。レクスと名付けられた悪魔の前で、コクランが明かした願いとは……。
クールでかたくなな王女コクランが、悪魔に出会い、少しずつ心を開いていくのが愛しいです。そして、彼女の本当の「願い」が明かされたときにはすごく苦しかったです。
そしてあの終わり方は完璧ですね! ラストシーンがとてつもなく美しい。結末はぜひいろいろな人に読んでほしいです。
「幸せになってほしい」とべたべたな感想を抱いてしまう本です。
『魔女の宅急便』角野英子 福音館文庫
親元を離れてコリコの街にやってきた魔女のキキ。そこで物を届ける仕事を始めるけれど、すぐに街に受け入れられるわけではなかった。時に奮闘し、時にやさぐれるキキの日常を描く。
ファンタジーではありますが、若者が仕事や恋愛に悩む青春ものとしても面白いです。自立する、ということの難しさを感じました。読んでいると、キキを応援したくなります。
キキの恋愛相手のトンボの、いい人なんだけれどどこか抜けているところが、リアリティがあっていいです。こういう人っていますよね。
『ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間文庫
老婆になる呪いをかけられたソフィーは、ナルシストでわがままな魔法使いハウルの家政婦として働くことになるが、彼のすみかである動く城での生活はトラブル続きで……。
ハウルのキャラクターが面白いです。行動はめちゃくちゃでツッコミどころだらけで、ソフィーは振り回されます。でも、ところどころに自然な優しさがあって、憎めないんですよね。
そんなハウルがソフィーとくっつくまでのどったんばったん大騒ぎを読む作品です。読み終わったらにこにこします。
『ようこそ女たちの王国へ』ウェン・スペンサー ハヤカワ文庫
極端に男性が少ない世界に生まれた少年が、王女に見初められ、王宮のごたごたに巻き込まれていく男女逆転コメディ。
男性が守られ大切にされる舞台設定が愉快だし、登場する女性たちがみんなたくましいです。
そして通常のラブストーリーではありえないエンディングがすごく好きです。こういうぶっ飛んだ話、私大好き。
普通の恋愛小説では物足りない人におすすめです。
- 作者: ウェンスペンサー,エナミカツミ,赤尾秀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/10/24
- メディア: 文庫
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『プリンセスハーツシリーズ』高殿円 ルルル文庫
属国の大公と、替え玉王女が、宗主国であるパルメニアを征服しようと頑張る、王宮ロマンファンタジー。
まず恋愛より、宗主国を併吞しようという野望が先に来るカップルには笑えますし、そんなふたりが徐々に恋愛感情を自覚していくところがときめきます。
かなり込み入った人間関係が展開されるので、そういう複雑な関係に萌える人にはおすすめです。でも基本的には、明るい話ですよ。
『遠征王シリーズ』高殿円 角川ビーンズ文庫
男装の女王アイオリアが、自分の騎士とともにあっちこっちに出かけては事件に巻き込まれるファンタジーシリーズ。
ツッコミだらけの展開から、徐々にシリアスになり、最後は非常にセンチメンタルに終わるところが好きです。
恋愛だけれど、それだけじゃない、でかい愛情を注ぐ人間が好きな人にはおすすめです。
上の『プリンセスハーツ』とは同世界観なので、気になったらセットでどうぞ。
ジャック・ザ・ルビー―遠征王と双刀の騎士 (角川ビーンズ文庫)
- 作者: 高殿円,麻々原絵里依
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/09
- メディア: 文庫
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まとめ
恋愛ファンタジーのおすすめ記事、いかがでしたでしょうか。
書いていて、「あの作品は面白かったなあ」と思い出せて私も楽しかったです。
気になる作品があったらぜひ読んでみてくださいね。