ブックワームのひとりごと

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キャッチ―なストーリーはいいが構成に難あり―篠原悠希『後宮に星は宿る 金椛国春秋』感想

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後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

今日の更新は、篠原悠希『後宮に星は宿る』です。

タイトルが気になって一度読んでみたかった本です。

 

あらすじ

中華風の国金椛(ジンファ)国。そこで暮らしていた病弱な少年遊圭は、叔母が皇后になったことで親類縁者を皆殺しにされてしまう。皇帝に外戚はいらないという理由で。逃亡生活の末に、遊圭は後宮にたどり着く。そこで女装をして暮らすことになるが……。

 

文章はいいが構成に難あり

「皇后の親族はみんな皆殺し」という導入はよかったです。逃亡に次ぐ逃亡を続けるシーンでは、何が起こるかはらはらしながら読んでいました。

捨てる神あれば拾う神あり、明日の友は今日の敵を地で行くストーリー。

 

とんとんとリズミカルな会話シーンもよかったです。キャラクターが説明的なことを言わない。これ、ファンタジーでは地味に重要なことなんですよね。どうしても世界観について説明しなければならないので。

世界観の説明が自然で、ストーリーの妨げにならないのは上手かったです。

 

しかし、続刊を前提にしているからか、オチが弱いです。

エピソードを盛り込みすぎてて、話のつながりが希薄になっている感じもします。オチと関係ない蛇足的な話題が多すぎるんですよね。

文章は申し分ないけれど、構成は再考の余地があります。

 

ただ、これから面白くなりそうな感じはするので、もう一巻ぐらい読んで判断するのもいいかなと思います。

 

まとめ

まあまあ面白かったですけれど、「弱いな」と思う部分がいくつかありました。続きを読むことがあったら、今後解消されていくといいのですが。

 予算が余ったらあと一巻ぐらい読んでみようかなと思います。

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)