今回の記事は覚悟して読んでほしい……ボロクソに言ってるので。
あらすじ
中学生の娘が、ある日不登校になった。フリースクールに通った後、私立の学校に転校したりするが、娘はやはりそこでも不登校になってしまう。親子の仲は険悪になり、著者は言葉の暴力を吐いてしまうが……。
不登校に理解のない親の典型
いや~「不登校に理解のない親」のケーススタディかな? と思うくらいひどかった。
問題がない子どもはいないので、「娘は悪くない」と断言はしませんけど、この著者が不登校に関して悪手に悪手を重ねています。
「早く学校に行かせなければ」と焦り、頭ごなしにしかりつけ、ついには言葉の暴力に走ります。
でもそれはまだいいんです。自分の子が不登校になるなんて予想しないだろうし、親だって間違う。
一番この人がヤバいのは「自省がない」ことですよ。
自分が子どもを追い詰めていることにまったく自覚がないんです。そして娘を責め、協力的でない周囲を恨み、結果的に娘を孤立させています。
確かにこの娘は精神的に幼いんですけれど、育てている親がきちんとした大人じゃないから仕方がないんですよね。
「もう娘さんのことは放置でいいじゃないですか」と言われたときのモノローグがこちら。
かわいいからかまうんじゃなくて
あの子を将来社会の重荷にしたくなかったんだ
(P89)
紙の本って長いものだと50年、100年残るんですよ。そこに親に「かわいいからじゃなくて社会の重荷にしたくなかった」って書かれてしまった娘さんの気持ちを思うとめちゃくちゃ泣けてきます。
そりゃあ思うのは自由だけど、実際に文字にして残すのは違うでしょう。
めちゃくちゃ悲しくなった本なんですが、ある意味、「毒親のケーススタディ」としては非常に興味深い本でした。福祉や教育のことに関心がある人には、有用に使える本なのではないでしょうか。
彼女の娘には、「大人になったら親に認められなくても、自分の力で幸せになれる」ということに気づいて、自分の足で自分を助けてくれる人を探しに行ってほしいです。大人は楽しいですよ。
まとめ
この著者に儲けてほしくないので本はもう買わないけど、ある意味で興味深い本でした。
不登校や、子どもの福祉に興味がある人は、読んでみると反面教師として気づかされると思います。
娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた (本当にあった笑える話)
- 作者: 小林薫
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