今日の更新は、『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 海外作品』です。
いやあ、めちゃくちゃ面白かったです。
書籍概要
翻訳者の金原瑞人を中心に、さまざまな人がローティーンのために本をオススメする。泣けるものから笑えるもの、ディープなものまで、読書をしたい子どもたちのためのブックガイド。
過激で、でも安心するブックガイド
まず、アゴタ・クリストフの『悪童日記』などの過激な本も載せてしまうのがすごいです。
ちなみに『悪童日記』はこんな話。
性的シーンや暴力シーンも多いので、こんな本勧めたらどこかから苦情が来そうです。
一方で、「本好きで12歳なら、このくらいの本読めるでしょ?」という信頼を感じます。確かに後ろ暗いところのある本ですが、めちゃくちゃ面白いし、戦争というものを知るにはいい本だと思いますから。
『悪童日記』以外にも「えっ、こんな本勧めるの? マジで?」という内容が多いです。悪い大人たちだなあ。
しかし、その「悪さ」を子どものころ見ていたら、ちょっとうれしかったと思います。親以外の大人に、信頼されるのって嬉しいですから。
この本は人畜無害、文部省推薦のよい子のための読書案内ではないし、国語教育のためにもまったくならない。
(あとがきより)
と編者は述べていますが、私はこの本を読んでちょっとすっきりしました。子どもだからって「いい本」を読まなくてもいいんですよね。
本好きな子が「よい子」とは限らないし、そうあり続ける必要も一切ない。そういうスタンスが最高でした。私が子どもだったころはだいぶ昔だけれど、なんだか肩の荷が下りた気分です。
さまざまな人がさまざまな本を勧めつつ、ブックガイドとして一貫性があり、非常に面白かったです。編集もいい。
本当に、12歳のころ読んでいたら楽しかったでしょうね。
さしあたって、興味がある作品はどんどんほしいものリストに追加していこうと思います。
大人が読んでも面白い、子どものためのブックガイドです。
まとめ
読者を信頼していることがわかる、面白くてスリリングなブックガイドでした。
シリーズがいくつかあるみたいなので、そちらも読んでみたいですね。
監修者金原瑞人が訳した、こちらの本もおすすめです。