今日の更新は、ライト文芸おすすめまとめです。
ライトノベルのほうが好きだったけれど、このジャンルに進出するラノベ作家が多く、必然的に手を出し始めたジャンルでした。
ちなみに「ライト文芸」の境界線はライトノベルより難しいものがありますが、「ライトノベルのお兄さんお姉さん的なレーベルである」「表紙が漫画絵」という基準で紹介しています。
- 『ビブリア古書堂の事件手帖』三上延 メディアワークス文庫
- 『アムリタ[映]』野崎まど メディアワークス文庫
- 『騙王』秋目人 メディアワークス文庫
- 『水族館の板前さん』末羽瑛 メディアワークス文庫
- 『キュードー・ライフ!』末羽瑛 メディアワークス文庫
- 『遠鳴堂あやかし事件帖』椎名蓮月 富士見L文庫
- 『あやかし双子のお医者さん』椎名蓮月 富士見L文庫
- 『ある日、爆弾がおちてきて』古橋秀之 メディアワークス文庫
- 『ガーデン・ロスト』紅玉いづき メディアワークス文庫
- 『上島さんの思い出晩ご飯』miobott TO文庫
- まとめ
『ビブリア古書堂の事件手帖』三上延 メディアワークス文庫
聡明で古書知識が多いのに、人見知りな栞子と、その古書店でアルバイトする五浦の人が死なないミステリ。
謎が解けても苦い現実が明らかになるだけだったり、起こったことは取り返しがつかなかったり、ハッピーエンドでないのが逆に好きです。切ないようなほっとしたような、独特の読後感が後を引きました。
五浦と栞子のもだもだした恋愛模様もにやにやできてよかったです。お互いに真面目で一途なので、応援したくなります。

ビブリア古書堂の事件手帖 ?栞子さんと奇妙な客人たち? (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: Kindle版
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『アムリタ[映]』野崎まど メディアワークス文庫
「映画の天才」と自主製作映画を撮ることになった主人公は、彼女の独特の行動に困惑するが……。
非常に悪趣味なので、人におすすめしづらい。でも私は好きです。
全力で読者を裏切ってくるラストの怒涛の展開、そこに至るまでの愉快なギャグシーンを読むと、「なんだったんだこれは……」という気分になります。
おそらく一定数の人は投げ捨てたくなる本なんですけれど、とにかく尖った本を読みたい人にはおすすめです。
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- 作者: 野崎まど,森井しづき
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 文庫
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『騙王』秋目人 メディアワークス文庫
鼻つまみ者でひねくれている第二王子が、話術だけで王座を目指すファンタジー。
性格の悪いキャラクターが暗躍したりはったりをかましたりするのが面白いです。一癖も二癖もある人々は、登場するとすぐ覚えられるのでありがたいです。どいつもこいつも個性的。
そして展開の予測がつかなくて楽しい! 「マジで?」と思うシーンがたくさんあり、しかもちゃんと説得力がありました。
はすに構えた感じが評価が分かれると思いますが、私は結構好きです。
『水族館の板前さん』末羽瑛 メディアワークス文庫
働いていた店が閉店し、無職になった主人公の再就職先は、水族館だった。
「板前が水族館の職員」という出オチになりがちなテーマを、上手く料理してオチまで書ききっています。
テンポのいい展開と、にぎやかなキャラクターで最後まで飽きずに読めました。こういうワイワイした話は好きです。
夢を追うとはなんだろう? という、若者なら誰しも考える、青春の悩みがストーリーの根底にあるのも好きです。
『キュードー・ライフ!』末羽瑛 メディアワークス文庫
那須与一の幽霊に憑りつかれた主人公が、かわいい女の子目当てに弓道部に入るが……。
女の子目当てだった主人公が弓道の面白さに目覚めていき、どんどん腕を上げていくストーリーは面白かったです。
弓道シーンは手に汗を握るような熱さ。実際に見てみたいなと思いました。やっていることは地味なのに、動作のひとつひとつが美しく感じました。
かなりべたな話なんですが、きっちり描き込まれていて面白いです。
『遠鳴堂あやかし事件帖』椎名蓮月 富士見L文庫
叔父に引き取られた久遠明。叔父の家では、本の修復をする傍ら、不思議な事件の解決を引き受けていた。
結構シリアスなシーンも多いんですが、少し突き放したような、ドライな見方を交えてるのでそこまで深刻になりすぎずに読めます。
叔父と甥のつかず離れずで、しかしお互いに思い合っている関係性も好きです。
たぶん打ち切りなんだけど、好きなので上げちゃう。
『あやかし双子のお医者さん』椎名蓮月 富士見L文庫
いなくなった弟を探してもらったことをきっかけに、莉莉はあやかしのお医者さんである晴に弟子入りすることになり……。
さっき上げた『遠鳴堂』シリーズとは世界観を共有しています。
基本ほのぼのとした展開を描きつつ、つながりすぎてしまう怖さや、正義感の屈折など、シリアスな心理も書いています。
キャラクターが真逆だけれど、仲良しで危うい均衡を保っている双子が魅力的です。ふたりはどうなるのか気になってます。

あやかし双子のお医者さん 一 ばけねこと鈴の記憶 (富士見L文庫)
- 作者: 椎名蓮月,新井テル子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/12/15
- メディア: 文庫
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『ある日、爆弾がおちてきて』古橋秀之 メディアワークス文庫
「時間」にまつわる短編SFをまとめた本。電撃文庫から出たライトノベルの新装版。
これだけの数の時間SFを書き、なおかつそれがすべて面白いという稀有な小説です。オチもスマートで好きです。
難しい設定は出てこないので、SF初心者におすすめです。また、SF好きな人には既存作品のオマージュ要素を楽しめます。
女の子がかわいいのも最高です。短編で女の子をかわいく書くのはすごいなといつも思います。お気に入りは「トトカミじゃ」の話です。

ある日、爆弾がおちてきて 【新装版】 (メディアワークス文庫)
- 作者: 古橋秀之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/04/25
- メディア: 文庫
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『ガーデン・ロスト』紅玉いづき メディアワークス文庫
エカ・マル・オズ・シバ。友人関係にある4人の少女の四季を追う、連作短編青春小説。
少女たちは見た目ではわからない何かしらを抱えていて、少しアンバランスに生きています。その中での友情に、少し救われる心地がしました。
危ういけれど幸せで、でもいつかそこから出て行かなければならない。「楽園追放」というタイトルがぴったりな小説でした。
女の子同士の友情が好きな人にはおすすめしたい一冊です。
『上島さんの思い出晩ご飯』miobott TO文庫
死んでしまった恋人「上島さん」を思い出しながら、ごはんを食べるだけの食べ物小説。
「上島さん」のキャラクターと主人公の心情が、「ごはんを食べること」によって明らかになっていきます。その展開がスマートで、自然に心に入ってきます。
もちろん食べ物もとてもおいしそうで、読んでいるだけでお腹がすきます。深夜に読まないほうがいいかもです。
ちなみにこの作者は小説家になろうでも追いかけていますが、プロと遜色がない文章力で好きです。
まとめ
ライト文芸はあまり量を読んでいないんですが、上げてみると結構ありました。
気になる本があったらぜひ本屋さんで探してみてください。