今日の更新は、「暗黒ライトノベルおすすめ」です。
暗黒ライトノベルとは何か。Wikipediaの「暗黒ライトノベル」の項目によるとこちら。
暗黒ライトノベル(あんこくライトノベル)とはライトノベルの一分野である。暗黒ライトノベルという正確な分類法があるわけではないが、主に鬱展開や残虐な描写、悲劇的・絶望的な結末などが盛り込まれている作品を指す。
今回はこの定義に基づいて、私の暗黒ライトノベルおすすめについて語ろうと思います。
- 『Missing』甲田学人 電撃文庫
- 『ラン・オーバー』稲庭淳 講談社ラノベ文庫
- 『断章のグリム』甲田学人 電撃文庫
- 『キミとは致命的なズレがある』赤月カケヤ ガガガ文庫
- 『ただ、それだけでよかったんです』松村涼也 電撃文庫
- 『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』松村涼也 電撃文庫
- 『扉の外』土橋真二郎 電撃文庫
- 『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』桜庭一樹 富士見ミステリー文庫
- まとめ
『Missing』甲田学人 電撃文庫
寮のある学校を舞台にした、怪談をテーマにした学園ホラー。
驚異の死亡率。ゲストキャラは高確率で死にます。
幻想的で恐ろしい描写と、怪談をテーマにしたストーリーが面白いです。
あと探偵的役割である空目恭一のキャラが大好きでした。高校生に魔王様っていうあだ名がつくのがヤバいです。
そのほか、文芸部の面々がそれぞれキャラ立ちしていて痛々しくも愛しいです。
『ラン・オーバー』稲庭淳 講談社ラノベ文庫
ふたりの少年少女が、クラスメイトに過激な制裁を繰り返していくサスペンス。
非常に悪趣味で露悪的な話ですが、こういうの嫌いじゃないんですよね。倫理観の壊れたストーリーが気になってついつい読み進めてしまいます。
かなり人を選ぶ話ですが、私は好きです。
特にオチの悪趣味さが最高でした。徹頭徹尾ぶれないところは強く評価したいですね。ほんとうにひどい(褒め言葉)。
『断章のグリム』甲田学人 電撃文庫
「神の悪夢」がおかしなことを起こす、グロデスクな怪異解決ファンタジー。
グロいのが苦手なのに読み進めてしまいました。話しが気になるから……。
痛々しい中二病チックな展開を、きっちり物語として消化していくところが面白かったです。
トラウマから異能力が生まれるので、キャラクターがいつもキリキリしています。そこが辛くもあり、楽しくもありました。私、キャラクターがひどい目に遭うのが結構好きなので。
『キミとは致命的なズレがある』赤月カケヤ ガガガ文庫
記憶を失った主人公。彼の周りにおかしなことが起こり始める。これは幻覚なのか、それとも……。
現実と虚構が入り混じるサスペンス。何が本当かわからない展開に、翻弄されました。主人公の情緒不安定さがこっちにもうつりそうで、読んでいて不安になります。はらはら感が怖いけれど、とても癖になります。
どう考えても地獄なオチも最高です。たまに思い出して「うっ」となる話でした。地獄を見たい人におすすめです。
『ただ、それだけでよかったんです』松村涼也 電撃文庫
男子高校生が自殺した。それには「悪魔のような」クラスメイトがかかわっているらしい。
多少ツッコミどころはあるけれど、あふれんばかりの人のネガティブな感情と、そこに残ったわずかな希望がよかったです。か細い希望が残るほうが、残酷なこともあります。
ミスリードを多用する展開も、予想がつかなくて面白かったです。この話はいったいどこに着地するんだ? というはらはら感がありました。
『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』松村涼也 電撃文庫
一人の高校生が何人もの中学生を恐喝した。その疑いをかけられた大村音彦は、逃走劇を繰り広げる。
何が本当かわからない状態から、最後の怒涛のネタ晴らしまでたどり着く過程が面白いです。いい意味で、予想がつかない話でした。最後の展開は苦しいけれど楽しかったです。
何重もの人間の思いが、取り返しのつかない醜悪なドラマを生み出すところが悲しくてやりきれないです。でも、そういうどうにもならない閉塞感が、この小説の味でした。
『扉の外』土橋真二郎 電撃文庫
高校生が謎の空間に閉じ込められ、さまざまなゲームを強いられる密室ゲーム小説。
露悪的で、対立をあおるゲームの内容がえげつないです。そして、それに踊らされ破滅していく高校生たちの姿もつらい。
悪意がぶつかり合う光景は胸が悪くなるけれど、ある種の興奮を覚えるのも確かです。読みたくないけれど、もっと読みたいと思ってしまう矛盾した気持ちになりました。
終わり方はかなり賛否両論ありそうなんですが、過程の面白さは保証します。悪趣味な小説が好きならぜひ。
『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』桜庭一樹 富士見ミステリー文庫
リアリストななぎさが、自分を人魚だと名乗る少女、藻屑(もくず)と出会うガールミーツガールストーリー。
人生を自分の思い通りにできない、子ども特有の悩みを描いています。自分を虐待する親を愛せざるをえない藻屑、引きこもりの兄の面倒を見ることを受け入れてしまっているなぎさ。ふたりの出会いは、ある悲劇まで到達します。
とことんやるせないながらも、エンタメとしての疾走感があって好きです。悲しいけれど面白いです。
まとめ
というわけで、暗黒ライトノベルおすすめでした。
興味があれば読んでみてくださいね!