ブックワームのひとりごと

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蝶のいた庭、ブラックカルチャー、うつ病九段 2018年下半期に読んだ面白かった本11選

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素材:Canva


 

今日の更新は、「2018年下半期に読んだ面白かった本」です。

過去の記事はこちら。

2017年上半期に読んだおすすめ本19選 

横浜駅SF、家族喰い、天盆。2017年下半期面白かった本21選 

魔術師、看護師、フェンシング 2018年上半期面白かった本14選

 

 

 

『おっぱいとトラクター』マリーナ・レヴィツカ 集英社文庫

 老いた父が再婚すると言い出した。35歳のウクライナ美女と……。

きわどいギャグが頻出する家族コメディ。しかし、人間の心のどうにもならなさを描きつつ、まなざしはどこか優しいです。

欠点だらけの人生を送りながらも、「こう生きるしかなかった」人たちの物語でもありました。

おっぱいとトラクター (集英社文庫)

おっぱいとトラクター (集英社文庫)

 

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 『蝶のいた庭』ドット・ハチソン 

 警察に保護された、蝶の刺青がある少女。彼女の口から語られる、おぞましい庭園の物語とは……。

とても美しく、醜いコレクターと、その被害者の話です。死の恐怖に常にさらされながら、それでもなんとか生き抜こうとする少女たちが愛しいです。

ハッピーエンドとはいかないけれど、少し希望のある終わり方もさわやかで好きです。

蝶のいた庭 (創元推理文庫)

蝶のいた庭 (創元推理文庫)

 

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 『ブラック・カルチャー観察日記』高山マミ P-vine BOOKs

 アメリカ黒人と結婚し、彼らの文化に飛び込んだ日本人女性が、アフリカン・アメリカンの日常を観察する。

読んでいるだけでカルチャーショックを起こしそうな、不思議な文化の数々。しかし、そういう文化を持つに至った経緯を考えると、ものめずらしいだけではないなと思います。

黒人文化のいいところも悪いところも両方書いていて、誠実さを感じました。

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 『高慢と偏見』オースティン 光文社古典新訳文庫

 聡明な女性エリザベスは、高慢な男性ダーシーと出会う。ふたりはすれ違うが……。

ロマンスの定番を踏襲しつつ、色眼鏡をかけて人を見ることの愚かさを描き出しています。

嫌な親との付き合い方や、どうでもいい社交に煩わされる悲哀は、今の社会にも通じるものがあります。

昔のコメディだけれど「あるある」と思ってしまいます。

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

 
高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)

 

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 『12歳からの読書案内 海外作品』金原瑞人監修 すばる舎

金原瑞人ほか、読書人たちがティーンのためにお勧め本を紹介するブックガイド。

ベーシックなものも抑えつつ、「毒のある」作品も含めて紹介しているところが面白いです。

この本は真面目な人には怒られそうですが、だいたい本読みって暴力的な方法をとらないだけで結構不良だしな!

12歳からの読書案内 海外作品

12歳からの読書案内 海外作品

 

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 『トオチカ』崎谷はるひ 角川文庫

 手作りアクセサリーショップの女性と、バイヤーの男性の大人同士の不器用な恋を描く。

話としてはべたなロマンスなんですが、そこに至るまでの描写の説得力が素晴らしかったです。

大人同士だからこそ、素直になれなかったり回りくどい方法をとってしまうところもリアルでした。

トオチカ (角川文庫)

トオチカ (角川文庫)

 

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 『きょうの日はさようなら』一穂ミチ 集英社オレンジ文庫

 コールドスリープから目覚めた、30年前の少女。いとこである姉弟は彼女の面倒を見るが……。

30年間のジェネレーションギャップを丁寧に描いています。その過程を経て、しんみりするラストにたどり着くのが悲しかったです。

読み終わると少し感傷的な気分になりました。

きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)

きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)

 

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 『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』木ノ歌詠 富士見ミステリー文庫

 自殺を決意した海幸は、リガヤという天才少女に出会う。彼女の作る美術作品「幽霊列車」を作る手伝いをするが……。

少女たちのキリキリした不安定さは見ていてはらはらしますが、それが逆に癖になります。

ダークでおっかないけれど、読後感はどこかさわやかな作品です。

幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ (富士見ミステリー文庫)

幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ (富士見ミステリー文庫)

 

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 『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』ルディ・シモン スペクトラム出版社

 アスペルガーの女性に向けて、励ましながら生活や人生設計のアドバイスをする本。

「女性に」と書かれていますが男性が読んでも参考になると思います。

励ましてくれるけれど、安易に「がんばれ」というのではなく、アスペルガーとしての困難を認めたうえで長所を伸ばそうと言ってくれるのがよかったです。

アスパーガール: アスペルガーの女性に力を

アスパーガール: アスペルガーの女性に力を

 

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 『ピグマリオンバーナード・ショー 光文社古典新訳文庫

言語学者が花売り娘イライザの訛りを直し、淑女として変身させるコメディ。

世にはこびる「ロマンス」へのユーモアあふれる風刺ににやにやしながら読みました。いやあ、性格悪いなー(そこが好きです)。

でも一番風刺的なのは、この作品をハッピーエンドに改編した映画が大ヒットするところだと思います。

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

 

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 『警視庁生きものがかり』福原秀一郎 講談社

 動物の密輸入や違法販売を取り締まる仕事をしている作者のノンフィクション。

動物をテーマにした警察24時といった趣で、犯人との駆け引きや、捜査の手順、事件のあらましなどが面白かったです。

「珍しい生き物を飼いたい」という人間の欲求の罪深さも感じました。

警視庁 生きものがかり

警視庁 生きものがかり

 

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以上、下半期の面白かった本でした。

気になる本があればぜひ読んでみてくださいね。