今日の更新は、2018年下半期に読んだ面白かった漫画です。
年始もだいぶ過ぎて出遅れた感じがありますが、書きたかったので置いておきます。
- 『LIMBO THE KING』田中相 ITANコミックス
- 『DON'T TRUST OVER 30』TARGO 星海社コミックス
- 『鹿娘清美婚姻譚』緒方波子 ビームコミックス
- 『運命の女の子』ヤマシタトモコ アフタヌーンKC
- 『花ボーロ』岩岡ヒサエ IKKI COMIX
- 『少女終末旅行』つくみず BUNCH COMIX
- 『家族がいなくなった日』今田たま ぶんか社コミックス
- 『恋愛の神様』鈴木マサカズ ニチブンコミックス
- 『ブンブン堂のグレちゃん 大阪古本屋バイト日記』グレゴリ青山 ちくま文庫
- 『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました』横山了一 torch comics
- 『うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます』千葉リョウコ ポプラ社
- 『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』沖田×華 ぶんか社
- 『まどか26歳、研修医やってます!』水谷緑 メディアファクトリー
- 『ばけむこ』枝屋初 BLADE COMICS pixiv
『LIMBO THE KING』田中相 ITANコミックス
「眠り病」という奇病と戦う軍人と枯れたおじさんのバディコミック。
SFだけれどどこか懐かしい世界観と、ふたりの関係性が魅力です。まだまだ続きそうだけれど、謎が解き明かされるのが楽しみです。
あと絵がめちゃくちゃうまいです。絵がうまい人は絵がうまい……。
『DON'T TRUST OVER 30』TARGO 星海社コミックス
父親を好きになれない漫画家の男の話などが収録された、短編集。
内容がかなりウェットで泥臭いところが好きです。どうしていいかわからないような閉塞感を描くのが上手でした。
ハッピーな短編集ではないけれど、少し希望があったり、美しかったりするところもよかったです。
DON’T TRUST OVER 30(1) (星海社コミックス)
- 作者: TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/20
- メディア: Kindle版
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『鹿娘清美婚姻譚』緒方波子 ビームコミックス
奈良に暮らす鹿である清美が、お金目当てに結婚する異類婚姻譚コメディ。
かわいらしくてほほえましい絵柄とは裏腹に、世界観は結構ブラックでギャップがありました。
奈良のローカルネタも楽しめるので、近辺に住んでいる私はふふっとなりました。
『運命の女の子』ヤマシタトモコ アフタヌーンKC
それぞれの「運命の女の子」を描く短編集。
圧倒的な描写力に感情をかき乱されます。幸せな気持ちもつらい気持ちもぱんぱんに詰まっています。月並みな表現をするなら「エモい」んですよね。
地獄も天国も両方書ける漫画家だと思います。
『花ボーロ』岩岡ヒサエ IKKI COMIX
学校を舞台にしたオムニバス短編集。
優しいけれど甘ったるくはない、絶妙な雰囲気の良さがありました。読み終わって気分がよくなる漫画です。
ころころした等身の低い絵柄も好きでした。
『少女終末旅行』つくみず BUNCH COMIX
生き物が滅んだ世界で、かろうじて生きている少女二人のロードムービー。
おっとりとした雰囲気の中、確実に進行していく「人類滅亡」。怖さと穏やかさが同居した漫画でした。
静かな絶望を描き切った作品でした。
『家族がいなくなった日』今田たま ぶんか社コミックス
ある日、父を殺された著者。犯罪被害者の家族を描いたコミックエッセイ。
突然家族を殺された人の、やりきれなさ、絶望感が悲しかったです。著者は事件をきっかけに仕事ができなくなり、心を病んでしまいました。
殺人という犯罪がどれほど人の人生を狂わせるのか、一端を知ることができました。
家族がいなくなった日 ある犯罪被害者家族の記録 (ぶんか社コミックス)
- 作者: 今田たま
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2016/03/04
- メディア: Kindle版
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『恋愛の神様』鈴木マサカズ ニチブンコミックス
高齢童貞の主人公が、自分にだけ見える「恋愛の神様」に相談しながら恋を乗り切っていく。
コメディなんですが、主人公がめちゃくちゃいい奴で癒されます。性欲をきっちり描きながら、それを押し付けることがない塩梅がいい。
主人公カップルを応援したくなる作品でした。
『ブンブン堂のグレちゃん 大阪古本屋バイト日記』グレゴリ青山 ちくま文庫
大阪梅田の古本屋街でアルバイトしていた著者のコミックエッセイ。
古書店ならではのマニアックな世界をひょうひょうと描いていて面白いです。こんな仕事をしているのか! と参考になります。
ユーモラスでゆるくて、でもどこか暖かい関係性を感じてほっこりしました。
ブンブン堂のグレちゃん: 大阪古本屋バイト日記 (ちくま文庫)
- 作者: グレゴリ青山
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 文庫
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『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました』横山了一 torch comics
息子にひどい扱いを受けている男性の子育てエッセイ。
子育ての理不尽さがこれでもか! と描かれていて笑えます。
実際この苦労をシリアスに描くこともできるんだろうけれど、あえてギャグにして笑わせてくれるところがよかったです。
息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました。 (torch comics)
- 作者: 横山了一
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: コミック
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『うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます』千葉リョウコ ポプラ社
文字の書けない息子は発達性読み書き障害(ディスレクシア)だった。読み書きを練習する親子の奮闘記。
ディスレクシアのことがよくわかるエッセイです。説明も平易で読みやすかったです。
そして合理的配慮を拒否しようとする息子の気持ちが痛いほどわかります。「自分にはハンデがある」と素直に認めるのって難しいんですよね。
うちの子は字が書けない (発達性読み書き障害の息子がいます)
- 作者: 千葉リョウコ,宇野彰
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2017/07/06
- メディア: 単行本
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『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』沖田×華 ぶんか社
障害者と健常者の知能のはざまのIQを持つ息子を、どうにか育て上げようとするコミックエッセイ。
ボーダーラインに位置する知能だと、これほど福祉サービスが受けられないのか、とびっくりしました。
どこかしらに線引きはしないといけないんですが、もう少し柔軟になるといいですね。
『まどか26歳、研修医やってます!』水谷緑 メディアファクトリー
女性研修医の生活を描くコミックエッセイ。
医療業界の「男社会」っぷりが如実に描かれていてちょっと辛かったです。部外者なので直接的なことは何もできないけれど、 女医さんを見たら優しくしようと思いました。
この漫画を読んでいるときに医学部試験の差別のニュースがありました。タイムリーだった。
まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者: 水谷緑
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/08/28
- メディア: 単行本
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『ばけむこ』枝屋初 BLADE COMICS pixiv
男装少女がなめくじ神(雌雄同体)と結婚する神婚譚。
民俗学知識をてんこ盛りにしながら、詳しい説明がないのでわからない人も多いかも。
しかしジェンダーがあやふやな世界観や、幻想的な演出はハマる人はハマります。私はハマった。
以上です。
気になるものがあったらぜひ読んでみてくださいね。