今日の更新は、乙野四方字『君を愛したひとりの僕へ』です。
対になっているほうの記事はこちら。
あらすじ
両親の離婚によって父親に引き取られた暦は、父の働く研究所で栞という少女に出会う。彼女と惹かれ合う暦だったが、父と栞の母親が再婚することになってしまう。義理のきょうだいは結ばれないと勘違いしたふたりは、並行世界に逃げることを思いつく。
男のヤンデレ怖い
読む順番としては僕が愛した→君を愛したの順で正解だった気がします。こっちのほうが解答編って感じだから。
『僕が愛した~』の部分では謎だったシーンがきれいに回収され、ひとつの救済になっていくのが面白かったです。
この世界の暦は、和音と付き合うことがなく、代わりに栞という少女と恋に落ちます。ところが義理のきょうだいとは結ばれないと勘違いし、並行世界に逃げようとします。その代償として、栞は脳死状態となり、幽霊になってしまいます。
暦はその栞を救おうと、研究に打ち込みます。
たくさんの苦悩と試行錯誤を経て、暦がたどりついた結論にはええーっとなりました。ある意味ヤンデレだな……。
男のヤンデレ、めちゃくちゃ独りよがりなことが多いので結構好きです。そんなことされて女の子嬉しいか? とほぼ毎回思うんだけど、そういう視野が狭いからこそヤンデレなんだよな……。ストーリー的には面白いんですけどね。絶対に付き合いたくはないな。
そしてこの作品に置いても和音が、キーパーソンとして出てくるのがよかったです。恋人がパラレルワールドでも仲良くしてくれるのって素敵ですね。恋愛感情は抜きで。
ふたつの物語がリンクしていき、やがて大きな一つのオチになるのは面白かったです。
二冊セットじゃないと面白さがわかりにくい作品なので、ぜひセット買いをしてほしいです。
さくさく読めるので、SF初心者にとっても読みやすいと思います。
まとめ
リンクするふたつの物語が面白かったです!
男のヤンデレは怖いなと思いつつ、そういう闇が深いところも好きでした。
君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)
- 作者: 乙野四方字,shimano
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僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)
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