今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』の感想です。
前巻の感想はこちら。
巻が進むにつれて表紙のポーズが変わるのかっこいいですね。
あらすじ
敵に捕まってしまったバーティミアス。彼は何とか敵から逃れようと知恵を絞る。一方ナサニエルも、師匠に黙ってバーティミアスを召喚したことがばれそうになり、窮地に陥っていた。
自業自得だけどちょっとかわいそう
バーティミアスが捕らえられたときはギリギリの状況で、ここからどう突破するんだ? とはらはらしました。でも軽口をたたきながら、ひたすら頭を回転させて状況の打破を図るバーティミアスはとてもかっこいいです。兄貴と呼びたいです。
機転が利いて口が上手くて、どこか斜に構えているけど優しいバーティミアスめちゃくちゃ好き……このバーティミアスの一人称を読んでいるだけでごはんがいっぱい食べられそうです。
一方ナサニエルも、バーティミアスを召喚したことがばれそうになって窮地に陥ります。ここはナサニエルが完全に悪いのでちょっと笑ってしまいます。バーティミアスと違ってざまあみろと言ってしまいたくなる。
しかし完全にエンタメとして見るには、アミュレットを盗んだ相手が悪かったですね。自分だけの責任ではすまされないところへ話が転がっていきます。
そして中のラストでは、フォローのしようがないクソガキだったナサニエルが、少しだけ「良心」を見せます。ここがサマルカンドの秘宝の一番好きなところです。
こういう高慢ちきな少年にも本当の矜持があって、誰かを助けたいと望む瞬間があって、そのために自分を危険にさらす覚悟がある。その瞬間が最高にかっこいいです。
しかしそういう態度を見せたからといって、簡単にハッピーエンドにならないのがこの作品。ナサニエルを最大級の自業自得が襲います。
本当に本当に因果応報なだけなんですけど、ちょっとかわいそうではあります。そう思うからこそ、バーティミアスはなんだかんだで彼に手を貸してしまうんでしょうね。
まとめ
中も面白かったです! いよいよ物語も佳境。ラストは知っているけれどそれでも楽しみですね。
バーティミアスかっこいい!

バーティミアス2 サマルカンドの秘宝 中 (静山社ペガサス文庫)
- 作者: ジョナサンストラウド,金原瑞人,松本美保
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: 新書
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