ブックワームのひとりごと

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好きになれない主人公のハーレム展開ほどつらいものはない―森晶麿『僕が恋したカフカな彼女』

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僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

今日の更新は、森晶麿『僕が恋したカフカな彼女』です。

すみません、最初に言っときますけど酷評です!

 

あらすじ

深海楓は不可能趣味にそそられて架能風香に恋文を渡すが、あっけなくふられてしまう。楓は彼女に食い下がるために、カフカを手本に小説を書き始めた。同時に、周囲にカフカ的な事件が立て続けに起こる。

 

 主人公がクズでつらかった

そもそも主人公が好きになれなくてつらかったです。セクハラ発言多いし、しょうもない説教はするし、いろんな人に失礼。

それでも「あえていけ好かないキャラクターを書いてる」のならわかるんですが、この主人公設定上めちゃくちゃモテるんですよね。作中ではいろんな女性が彼に引き寄せられていきます。

主人公がクズなので、それにまとわりつくキャラクターも同時に好きになれません。やっぱりハーレム展開は主人公に人望があってこそだと再確認しました。

しかし本当になんで主人公がモテるのか全然わかりません。顔か。顔なのか。それはそれでエンタメとしては生々しすぎてつらいですね。

 

主人公のセクハラ発言もそうだけれど、作中の性に対する価値観がおかしいです。おかしいことを主軸に置いてるならいいけど中途半端におかしい。

たとえば性犯罪者並みのことしてるのにその部分に突っ込みが入らないこと。【ネタバレ】

いっそ変にオチをいい話にしようとせず、エゴイストたちの蟲毒みたいな話だったらまだ納得がいったかもしれません。

 

あとあとがきで他のシリーズのキャラのメタな話を書くのはどうなの……。そういう身内ノリはあとがきじゃなくて著者のファンだけが見るブログやTwitterでやっていただきたい。

 

まとめ

とりあえずしばらくは読まない作家のリスト行きですね。

やっぱり小説には因果応報とか、作中における倫理観とか大事だなと反面教師になりました。

僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

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