ブックワームのひとりごと

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明治帝に仕えた女官が若い時代を回想する―山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』

女官 明治宮中出仕の記 (講談社学術文庫)

今日の更新は、山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』です。

 

あらすじ・書籍概要

明治天皇昭憲皇太后に仕えた女官が、当時のことを回想する。明治天皇昭憲皇太后のひととなり、宮中の文化、女官として働くときの悩みなど、女官でしか語れない情報を記した手記。

 

著者は十八歳で宮中に出仕し、明治天皇昭憲皇太后に仕えました。

正直な話人間は話を盛るものなので、この手記が完全に正しいとは思いません。けれどそれを差し置いても興味深い内容でした。

 

面白かったのは明治天皇が著者を女官として直接選んだところです。そういうことするんだ? とびっくりしました。

それも含めて、明治天皇の描写がユニークで面白かったです。刀剣を愛でたり(刀剣乱舞をやっているので、そういえばゲームに明治帝に所持された刀がいたなと思いだしました)、冗談を言ったり。こういう人間味のある皇室の方の人物描写は初めて見たので新鮮でした。

 

宮中の文化も興味深かったです。宮中は儀式・お祭り・年中行事を大切にしています。そういう部分を読むと天皇は「巫王」なのだなあと思います。

しかし私は信心がないタイプの人間なので、「税金使ってこんなことしてるのか……」とちょっと思ってしまいますね。文化と言えばそれまでですけど。

 

欠点としては、この手の手記って自慢になりがちなんですよね。著者もちょっと「明治帝夫婦に優しくされた私」を誇っているところがあります。ひとがそう簡単にできない体験をすると、自慢したくなるのも当たり前なんですが。

一方で、そこも人間味だと思えば面白いです。上品な自慢と思えばほほえましくもあります。

 

まとめ

私は皇室のことに詳しくないのでどのくらい本気にしていい本なのかわからないんですけれど、内容としては興味深かったです。

やっぱり天皇制度って不思議な君主制度ですよね。

女官 明治宮中出仕の記 (講談社学術文庫)

女官 明治宮中出仕の記 (講談社学術文庫)

 
明治の宮廷と女官

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