ブックワームのひとりごと

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闇の勢力と戦うために子どもたちが光車を探す―天沢退二郎『光車よ、まわれ!』

(P[あ]2-1)光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

今日の更新は、天沢退二郎『光車よ、まわれ!』です。

TVアニメ「電脳コイル」のインスピレーション元のひとつらしいので読んでみました。

 

あらすじ

クラスメイトがおかしな姿に見えた一郎は、龍子という変わった少女に出会う。彼女らは謎の勢力と戦うため、「光車(ひかりぐるま)」というアイテムを探すグループだった。一郎はそこに加わり、光車探しに身を投じていくことになる。

 

子どもたちのうすら寒い呪術的戦い

悪夢の中のような薄ら気味悪い描写が特徴的でした。闇の中に住む小人たち、クラスメイトの姿が変わってしまう恐怖。特別グロデスクではないけれど、不安を掻き立てられます。 

あまり詳しく説明されないところもあり、それが作品のおどろおどろしさに拍車をかけています。

そのような怖い敵と、この世ならざるものを見る目や、子どもたちの機転で戦っていくのは面白かったです。

危機一髪の連続なので、読んでいてはらはらし続けました。そして、取り返しのつかないシーンがあったり……予想がつかない作品です。わりと容赦がない。

 

龍子がひどく大人びていることが気になっていましたが、最後まで読むとなるほどなと思います。でも、あの人とあの人は何だったんだ。

正直わかりやすい話ではないというか、現代っぽい明確な理由付けがなされていない小説でした。でも、それが個性的ではあります。

 

呪術的なものを用いて少年少女を率いるボスの女の子、というのが電脳コイルにインスピレーションを与えたところなんでしょうね。

龍子の独特のカリスマはかっこいいです。意味深で人を率いる能力があって、底知れない何かを持っている。彼女の存在がストーリーを引き締めていました。

 

まとめ

世界観や描写が面白い作品でした。ちょっと怖い児童文学が好きな人にはおすすめです。

装丁や挿絵も作品に合っていてよかったです。

(P[あ]2-1)光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

(P[あ]2-1)光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

 
光車よ、まわれ! (1983年)