ブックワームのひとりごと

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水害で滅ぶ都から避難し敵を倒せ―上橋菜穂子『天と地の守り人<第三部>新ヨゴ皇国編』

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

今日の更新は、上橋菜穂子天と地の守り人<第三部>新ヨゴ皇国編』です。

 

あらすじ・書籍概要

ロタとカンバルの同盟を成功させ、新ヨゴに帰ってきたチャグム。異世界ナユグに春がやってくることで、都には未曽有の水害が迫っていた。一方バルサは、草兵になったタンダを探し回る。

 

チャグムがたくましくなって嬉しくもあり悲しくもあり

衝撃だったのはバルサがタンダの壊死した腕を切り落とすシーンです。過酷でグロくて凄惨で、でもすごく愛を感じるシーンでした。

わかりやすくイチャイチャすることのないふたりなんですが、 バルサはタンダのために何をやってもいいと思っているのでしょうね。それが言葉ではなく行動でわかるシーンでした。

 

新ヨゴに帰ってきたチャグムは、水害が起こることを伝え人々を避難させます。このあたりの彼は本当にたくましくなりましたね。

甘ちゃんだった彼が、自分の手を汚しても大切なものを守ろうとするようになったところは、かっこよくもあり悲しくもありました。精霊の卵を宿してバルサと暮らしていたのが遠い昔のようです。あの時間は彼の原風景なのでしょうね。

滅びかけた国を救い、それゆえにいろいろな重責を背負ってしまったチャグム。彼のこれからが心配ですが、支えてくれる人々がいるから希望が持てます。

チャグムは本当に国民に大人気になるだろうけれど、チャグムはそれを望まないでしょうね。そういうまともなところが彼の魅力でもあります。

 

失われて戻ってこないものがあり、二度と会うことができない人々がいて、それでも歯を食いしばり前を向いて歩いていく登場人物たちがかっこよかったです。

大団円ではないけれど、これはこれでさわやかな終わり方ではないでしょうか。

 

まとめ

ようやく読破しましたが、時間を空けて読んでも面白かったです。すごい小説でしたね。

また機会があれば他のシリーズも読みたいです。

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)