ブックワームのひとりごと

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発達障害の世界の見え方とその未来について―NHKスペシャル取材班『発達障害を生きる』

発達障害を生きる

今日の更新は、NHKスペシャル取材班『発達障害を生きる』です。

 

あらすじ・書籍概要

発達障害を特集したNHKスペシャルを書籍化。発達障害の人に配慮するために、どのような取り組みをすればいいのか。感覚過敏への配慮の仕方、学習障害の子どもが学ぶにはなど、最新の取り組みを紹介する。

 

クワイエットアワーの取り組みいいよね

すでにたくさん発達障害の本を読んでいるので、知っている部分も多かったんですけれど、発達障害に対するとりくみは面白かったです。

特に感覚過敏はしっかり取り上げられることが少ないので、いろいろ実例を示してくれて助かりました。

面白かったのはイギリスのマンチェスター・ショッピング・パークでの取り組み「クワイエットアワー」。毎週土曜日の午前中に、店内で音楽をかけないようにする、放送を控えめにする、店員の声かけを減らすなど、音を小さくする試みです。

これは感覚過敏の人だけでなく、静かに買い物をしたい人々に好評だそうです。

確かに店に行くと音楽がうるさかったり店員がいろいろ話しかけてきたりして、落ち着かないことってあるんですよね。こういう時間があることは健常者の人にとってもうれしいのではないでしょうか。

 

ADHD学習障害の章では、発達障害の人はそもそも定型発達者と見えている世界が違うことがわかります。興味関心がめまぐるしく移り変わっていくADHDの人は飛び石を飛ぶような世界に生きていると感じます。読み書き障害の子どもは、文字を文字と認識できず、地図のようなものに見えたそうです。そういう見え方のギャップがあるからこそ苦労するのでしょうね。

この辺は深く考えていると「そもそもなぜ人間は文字をそれ以外と区別できるのか」と哲学的な領域になってきます。

 

テレビ番組の書籍化なので、番組に送られてきたメッセージがテキストで読めるところも面白かったです。発達障害によって苦労したところ、現状を打破したきっかけ、現在の迷いなどがつづられています。

発達障害やそれを支援する人の声が知りたい人にもいいと思います。

 

まとめ

知っていることも多かったですがいろいろな実例、対策、研究などを知れて面白かったです。

 さくっと読めるので本が苦手な人にも読みやすいのではないでしょうか。

発達障害を生きる

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