今日の更新は、マイケル・S・ガザニガ『<わたし>はどこにあるのか ガザニガ脳科学講義』です。
この記事に紹介されていたので気になって読んで見た本です。
あらすじ・書籍概要
脳は、さまざまなパーツが複合的に動いている。それならば、「意識」「自我」はどこにあるのか? 脳科学者のガザニガが、脳科学の歴史を紐解きつつ、脳科学における「自由意志」とは何かを考えていく本。
脳科学からわかる「自由意志」のもろさ
難しくてちゃんと理解できたか不安です。わかる範囲で感想を書いていきます。
タイトルでなんとなく察してはいましたが、脳の中に意識の座というか、自我のある場所というか、とにかくこれが「わたし」と呼べる部分はないようです。いくつものパーツが連携してなんとなく「意識」を作り出しているらしい。
いつも無意識に揺るがぬ「わたし」というものがあることを前提に話しているけれども、実際にはそんなものはなく、頭の中はわりとふわふわしています。それでいて、なんとか日常が回っていることが不思議です。
後半からは、自由意志とは何か、という話題に入っていきます。「人間には自由意志がある」という前提を、科学が覆してしまいます。人種による脳の作りの差異や、住む地域によって人間の能力が違う話は結構怖いです。
人間は自分のやることを自分で決められる、という社会を送る上での絶対に必須な価値観は、実はもろいものである、ということに衝撃を受けました。
これらの研究は悪用されると差別や偏見の温床になってしまいそうでとてもおっかないですね。
ただ、同時に、「わたしたちは脳ではなく人間だ」と著者は説きます。脳がどういう構造をしているのであれ、われわれは人生を楽しめるのだと。科学者がそう言ってくれると元気が出ますね。
まとめ
難しかったのでちゃんと理解できたか不安なんですが、話は面白かったです。やっぱり科学は読むのが大変だ。
他の人の感想も見て確認したいところがありますね。

- 作者: マイケル・S.ガザニガ,Michael S. Gazzaniga,藤井留美
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- 発売日: 2014/08/28
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- 作者: マイケル・S.ガザニガ,Michael S. Gazzaniga,柴田裕之
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