ブックワームのひとりごと

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校長先生の朝礼みたいな言い回しはやめてくれ―山本巧次『阪堺電車177号の追憶』

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阪堺電車177号の追憶 (ハヤカワ文庫JA)

今日の更新は、山本巧次『阪堺電車177号の追憶』です。

確か去年のハヤカワ電子書籍セールで買ったもの。

 

あらすじ・書籍概要

天王寺から大阪南部を走る阪堺電車177号。彼は電車に乗った人々がかかわった事件を回想する。戦時下、バブル、平成と、町が移り変わるにつれ事件の内容も変わっていくのだった。

 

言い回しが寒くて話に集中できない

徹頭徹尾言い回しが寒かったな……。

どこかで見たような言い回しを多用し、しかもそれとストーリーが合っていないので話に集中できなかったです。

私と同世代に生まれていたら「死んだ魚のような目」とか「亀の歩み」とか使うタイプの作家だったんじゃないでしょうか。

この感じ、校長先生が朝礼でする話に似ています。いいこと言ったつもりなのに全力で滑っているんですよ。読んでいて共感性羞恥すら覚えてしまいます。

 

それからこの話には電車を擬人化して一人称で独白させるシーンがあります。たぶんこういう表現をするからには、それが謎解きにかかわるんだろうなと思ったんですが、一切関係ありませんでした。

本当になんでこのシーン入れたんだろう……なんとなく「電車がしゃべったらかわいいな」と思ったんでしょうか。童話を書いてるんじゃないんだから。いや童話でももう少し表現に意味を持たせますよ?

 

あんまり文体が好きになれないもんだから謎解きに関する良しあしを述べられません。あてにならないレビューでごめんなさい。

 

まとめ

いいこと言った感が寒くて話に集中できなかったので客観的な評価ができません。ストーリーだけ好きな人の意見を聞いたほうがいいような気がしますね。

阪堺電車177号の追憶 (ハヤカワ文庫JA)

阪堺電車177号の追憶 (ハヤカワ文庫JA)