ブックワームのひとりごと

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きみら人の上に立つ者の自覚はあるのか―守野伊音『淋しき王は天を堕とす―千年の、或ル師弟―』

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淋しき王は天を堕とす ―千年の、或ル師弟―【電子特典付き】 (角川ビーンズ文庫)

今日の更新は、守野伊音『淋しき王は天を堕とす』です。

 

あらすじ

天人と人間の戦争が終結した後の世界。天人として生まれ天人を滅ぼした王は、政治を他の人間に任せて神殿で静かに暮らしていた。主人公、アセビは孤独な彼を幸せにしようと奮闘するが……。

 

こんなファンタジー世界は嫌だ

そんな描写は一切ないのにこの世界の無辜の人々に感情移入してしまった……。

なんで普通に暮らしているだけで神とそれに近しいものの痴話げんかに巻き込まれなきゃいけないんですか!? 理不尽ですよね。

およそ登場人物に、人の上に立つ器の人間がいません。こんなファンタジー世界は嫌だ……。現実世界のほうがまだましだ……。

それでもラブコメをやっているうちはそういう牧歌的な世界観なのかなと思ってよかったのですが、戦争が始まってからはこいつら人民の税金で暮らしてたくせに何言ってんだ? という会話ばかりです。こんな王は弑さなければ。

 

ラストもきみらの痴話げんかのせいで人が大勢死んでいるのになんでいい話っぽく終わるんでしょうか……ギリシャ神話なのかな。

 

昔革命を起こそうとした人々の気持ちがよくわかります。こんなわけのわからない戦争やりたくねえ~。

 

まとめ

革命家の気分になれるという点では面白かったんですが小説としてはどうなの? って感じです。

序盤のラブコメ部分は嫌いじゃなかったけれど、鬱展開をするとキャラの愚かさが引き立ってしまってだめですね。

 

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