今日の更新は、壱月龍一『ラ・のべつまくなし3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ』です。
あらすじ・概要
順調に作品を執筆していた学だったが、『かみたまっ』の部数が落ち込みぎみだということを知る。一方で、他の出版社から「うちで書かないか」という誘いが来る。学は、ふたつの悩みの中で板挟みになってしまう。
キャラクターをバランスよく書く能力がある
今回は、キャラクター達をバランスよく書こうと気を配っているところがよかったです。
学をライバル視している萌命(ほうめい)、強引な編集者春日(かすが)も、鬱陶しいんだけれどところどころで「いいところあるんだな」と思わせてくれるキャラです。その塩梅が素晴らしいですね。
萌命は学の能力に嫉妬していますが、それは「ライトノベルが好きだ」と自負しているからです。自負しているからこそ誘われて書いて、ヒットさせた学をライバル視してしまうんですよね。
春日も、あれこれ学に指示を飛ばしますが、なんだかんだで作品のことを思ってくれています。
そういうテンプレではない「いいやつ」っぷりが愛しかったです。
恋愛パートは女の子と仲良さげな男が現れて……というありがちなすれ違いなんですが、それを通して明日葉と学がお互い素直になれたのがよかったです。
しかしラストのアレ、やっぱり明日葉は危険な腐女子だと思いましたよ! 私個人としては関わり合いになりたくないな……。
まあ私が明日葉をヤバい女だと思っていても、学はそれで幸せなので、仕方ないな……と思っているんですけれどね。
そしてそう思わせてくれるところがこのシリーズのいいところでした。腐女子の描き方としてはどうかと思うんですけれど、話に整合性があるから許してしまいます。
納得させられてしまうという意味で、筆力のあるラノベでした。
『ラ・のべつまくなし3』まとめ
相変わらず明日葉はヤバい腐女子だけれど、学が幸せそうなのでよしとします。
ラノベに対するこだわりがあって面白かったです。末永くお幸せに!

ラ・のべつまくなし3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ (ガガガ文庫)
- 作者: 壱月龍一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/06/17
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