ブックワームのひとりごと

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少女が迷い込む不条理な世界―ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』

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アリス

今日の更新は、ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』です。

Amazonprimeに入ったと聞いたので見てみました。

 

あらすじ・概要

 剥製のうさぎが動き出し、服を着て出て行った。少女はそのうさぎを追いかけるうちに、奇妙な世界へ迷い込む。身体の大きさが変わるクッキーや薬、帽子屋と三月うさぎのお茶会、ハートの女王の理不尽な要求など、少女は周囲に振り回される。

 

足し算することによる気味悪さ

 まず、虫が苦手な人にはあまりおすすめしません。私は長い虫が苦手なんだけれどとあるシーンでぐえっとなりました。

 

基本は実写+コマ撮りアニメ。登場するキャラクターは剥製や標本、人形、ぬいぐるみで作られていて、それが人間のアリスと一緒に動きます。

何とも感想が言いづらい、意味があるのかないのかわからない話です。でもそれゆえに、不思議の国のアリスのストーリーには忠実なのではないでしょうか。あれもナンセンスな言葉遊びが飛び交う、夢の中のような話です。

 

登場するのが人形や剥製なので、直接的なグロデスクさはさほどないんですが、見ていると得体のしれない不安感に襲われます。

たとえば白うさぎは剥製なのでおなかにもみ殻が詰まっているんですが、そのお腹が開いているのでしょっちゅうもみ殻がこぼれ出て来ます。それを何度も直すシーンがあるのですが……ね、気持ち悪いでしょう?

パーツのひとつひとつを見ればそれほど気持ち悪くはないはずなのに、足し算することで夢の中のような気味悪さを演出しているところが怖かったです。

 

トラウマになるかどうかは人によると思います。でもシュールレアリスムが怖いと感じる人はやめておいた方がいいかも?

あ、びっくり要素はないです。そこは安心してください。

『アリス』まとめ

ただただ気味が悪いのでどうおすすめしていいのか難しいですが、映像芸術に興味がある人なら楽しめるのではないでしょうか。

不条理なので感想が言いづらいですが、私はこのわけのわからない怖さが面白かったです。

 気味の悪いものを怖いもの見たさで見てしまう人はぜひ。

アリス

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