コロナウイルス面倒くさいですね! コロナ滅んでくれ!
というわけで今回はコロナウイルスに対する英気を養うために、ハッピーエンドのライトノベルを集めてみました。核心的なネタバレはしていませんが、どういう雰囲気のエンドなのかはしゃべっているので注意。
それではいってみましょう。
- 嬉しくないハーレムドタバタ恋愛劇『ロミオの災難』
- 高校生に那須与一の霊が取り憑く『キュードー・ライフ!』
- 悪魔と少女のラブストーリー『王女コクランと願いの悪魔』
- 板前、水族館に就職する『水族館の板前さん』
- テンションの上下が激しいドンパチバトルもの『お・り・が・み』
- 童話的世界観で少年が大人になる『ななめカンナヅマ』
- 植物人外と恋に落ちるめでたしめでたし物語 『森の魔獣に花束を』
- 冴えない少年がゾンビ世界で活躍『オブザデッド・マニアックス』
- 腐女子とラノベ作家の恋物語 『ラ・のべつまくなし』
- お見合い番組のサクラたちの腹の探り合い『わたしはさくら。~捏造恋愛バラエティ、収録中~』
- トラウマを抱える女性が恋をするまで『トオチカ』
- お祭りのような現代ファンタジー『ぬばたまおろち、しらたまおろち』
嬉しくないハーレムドタバタ恋愛劇『ロミオの災難』
一年生五人だけの演劇部。文化祭の公演の相談をしていると、五人で演じられる『ロミオとジュリエット』の台本が落ちてきた。その台本を演じることにした五人だったが、なぜか部員たちの恋愛の矢印が、ロミオ役の如月に向き始め……。
ハーレム状態で嬉しいな、という感覚ではなく、思い人の本心に悩み、操られた恋心によって騒動を起こす部員たちに悩み……という如月の心中が面白かったです。
ハラハラさせるところはあれど最後の最後は演劇らしい「大団円」。さわやかな気持ちで本を閉じられます。
高校生に那須与一の霊が取り憑く『キュードー・ライフ!』
ひょんなことから那須与一の霊に憑りつかれた良治。彼はひとりきりで弓道部の活動をしていた鹿目梓に一目ぼれし、弓道部に入部する。良治はどんどん弓道の楽しさにのめり込んでいき……。
ストーリーや題材はベッタベタだけれどそれゆえに安心して読める作品です。徹頭徹尾スポーツの楽しさとさわやかさで満ちています。
読んでいるとスポーツがやってみたくなる作品です。
悪魔と少女のラブストーリー『王女コクランと願いの悪魔』
コクランが手に入れたランプから出てきた悪魔。彼は「なんでも願いをかなえてやる」とコクランに持ちかける。しかし彼女は願いを言わず、悪魔はやっきになって願いを吐かせようする。やがてコクランと、レクスと名付けられた悪魔はお互いに惹かれあい……。
鬱展開の連続だけどそこを乗り越えてからの「めでたしめでたし」が最高に面白いです。
読み終わるとふたりの幸せを願わずにはいられません。
板前、水族館に就職する『水族館の板前さん』
働いていた料亭が閉まり、無職になった主人公、浩介は、水族館の臨時職員として働くことになる。水族館の仕事に少しずつやりがいを見出していく浩介だったが、仕事は波乱の連続で……。
地味になりがちなテーマなのに、ぐいぐい読ませてくれてとてもわくわくしました。中だるみするようなところもありませんでした。
主人公ふたりの「夢」の決着が前向きで、元気が出る作品です。
テンションの上下が激しいドンパチバトルもの『お・り・が・み』
借金のカタに悪の組織にさらわれた鈴蘭。その組織で働くうちに、自らの中に眠るチートな力が開花していく。その戦いはついには世界全体を巻き込むものに……。
ギャグとシリアスの差が激しい、ジェットコースターのような作品です。特に伊織の過去は闇が深いです。
最後はかなりご都合主義だけれど、このキャラクターたちなら笑って「アリだな」と思えてしまう終わり方でした。
童話的世界観で少年が大人になる『ななめカンナヅマ』
体に様々な神を宿す神無妻の七芽。彼女は空飛ぶ船に乗って、世界を渡り歩いている。そんな七芽がたどり着いたのは百地島というおもちゃのような世界。そこで暮らす子どもたちは成長をしない。七芽は大人になりたいタウロという少年に力を貸す。
おもちゃの世界の描き方が面白いです。ルービックキューブのように回転する町、ブロックでできた犬、折り紙の鳥。児童文学のような世界観でかわいらしいです。
比喩とシンボルを多用した世界観はとっつきにくいかもしれませんが、物語としては王道成長物語でした。
植物人外と恋に落ちるめでたしめでたし物語 『森の魔獣に花束を』
病弱なのに跡取りの試練として、森に入らなければならなくなったクレヲ。そこで出会ったのは植物の魔獣。彼女に食べられないために、クレヲは自分を好きになってもらおうと画策する……。
まず何をおいてもロザリーヌがかわいいです。生肉を食べたり人間を襲ったりするんだけどとてもかわいい。人ではないけれど人ではないからこそ素直なところがあって、ときおり見せるデレにきゅんきゅん来てしまいます。
人間×人外の王道をまっすぐに突っ切っていく安定感のある作品です。
冴えない少年がゾンビ世界で活躍『オブザデッド・マニアックス』
ゾンビマニアでゾンビに襲われることを夢見ていた丈二。彼が学校行事で向かった孤島のセミナーハウスで、突然、ゾンビの姿が! 丈二はクラスメイトたちと生き残るために協力しあう。しかしショッピングモールに向かうと、そこにはクラスの委員長によっていびつな帝国が築かれており……。
ゾンビという荒唐無稽な設定を使いながら、最終的には青春ものとして締めるのがよかったです。どういうことなの……?
ゾンビものですがそれほどグロくはないし、オチがさわやかなので読後感は非常によかったです。
腐女子とラノベ作家の恋物語 『ラ・のべつまくなし』
売れない小説家、矢文学は、糊口をしのぐためにラノベ作家に転向する。原稿を書けなくなり、立ち寄った図書館で出会った少女に一目ぼれ。その少女明日葉は、男と男の恋愛が好きな女性、腐女子だった!
純文学を志しながら、ラノベを書いている。そんな自分を肯定できなかった学が、明るく強く「好きなもの」を語る明日葉に感化されて、今の自分を受け入れられるようになっていきます。
腐女子の描き方にツッコミどころはあるものの、異文化恋愛ものとしてきちんとまとめられた作品です。
お見合い番組のサクラたちの腹の探り合い『わたしはさくら。~捏造恋愛バラエティ、収録中~』
女優を目指してモデルやグラビアの仕事をする桜子。彼女はお見合い番組のサクラ役を持ちかけられる。しかし、そこにはほかのサクラもいるらしく……。お見合い番組を舞台に権謀術数が渦巻くミステリー。
話のテンポがよく、どんどん新情報が出てくるので物語として中だるみするところがなかったです。 誰が本当のことを言っていて、誰が嘘をついているのか。主人公の桜子と一緒に悩みました。
そしてどろどろしているように見せかけて、人間の善性を描いてきれいに終わらせるあざやかさが最高でした。
トラウマを抱える女性が恋をするまで『トオチカ』
過去の恋のトラウマにより、男性が苦手な里葎子。逃げるように叔母の住む鎌倉に行き、友人と共にアクセサリーショップを開いた。そんな里葎子を何かと構いたがる男、千正がいる。里葎子は彼の行動を測りかねていたが……。
過去のトラウマや、不器用さで遠回りをしてしまう、優しくしたいのにその手を振りほどかれてしまう、という過程が面白かったです。
もだもだした作品だけれど、それゆえに思いを通じ合えた瞬間は、よかったね! と声を駆けたくなりました。
ただ結構エロいので、性的な描写が苦手な人は注意。
お祭りのような現代ファンタジー『ぬばたまおろち、しらたまおろち』
幼馴染の大蛇と結婚の約束を交わした少女、綾乃。村祭りの舞い手に選ばれた綾乃は、祭り当日に謎の男に襲われる。間一髪で彼女を救ったのは、ほうきに乗った魔女だった。綾乃はそのまま、魔女たちが学ぶディアーヌ学院に入学することになる。
民俗学、学園もの、タイムトラベルなど、好きなものを全部乗せしてそれでいて物語として楽しめるものにしたところがよかったです。
ガンガン進んでいくストーリー、そしてニコニコ笑って読めるエンディングがエンタメ作品だ! という感じで面白かったです。
以上です。気になる作品があれば読んでみてください。