ブックワームのひとりごと

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「覚えている」ことが弔いでありなぐさめである―『リメンバー・ミー』

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リメンバー・ミー (吹替版)

今日の更新は、『リメンバー・ミー』です。

 

あらすじ・概要

メキシコの少年ミゲルは音楽が大好き。しかしミゲルの家庭では、音楽禁止だった。家族に反抗したミゲルは家を飛び出し、ギターを盗んで音楽コンテストに出ようとする。しかしミゲルはなぜか生きている人に見えなくなり、「音楽をしてはならない」という家訓を作ったママ・イメルダをはじめとする死んだ家族たちと出会う。

 

こんな人におすすめ

  • 「死」を怖がっている子どもがいる人
  • 明るい気持ちで映画を見たい人
  • 「死者の日」を画像検索してびびっと来る人

 

お祭り騒ぎのような世界で行きて帰りし物語

私は信心がないので死後の世界にあまり興味がないのですが、死という理不尽なものを前にして、何らかのなぐさめが必要なのも確か。この作品はそのなぐさめになりうる映画でした。

描かれる死者の国がとても幻想的かつにぎやかで、「死」でイメージする悲惨な雰囲気があまりありません。お祭り騒ぎのようで見ているだけで楽しくなってきます。

死者の国では生きている人が死者のことを忘れてしまうと、消滅してしまいます。逆に言えば、死者は生きている人が覚えている限りは存在し続けます。

『リメンバー・ミー』は結局死にゆく人のための映画ではなく、この世に残された人のための映画なのだと思います。思い出すことが弔いでありなぐさめ。そして弔いが生きている人の支えになるということなのでしょう。

子どものころ、「死」というものがすごく怖く思えるときがありましたが、そのときにこの作品を見たかったです。

 

◎ここからネタバレ◎

 

ヘクターが実のひいひいおじいさんなのは中盤くらいから察していました。しかしながら、展開が読めてもきっちり面白かったです。

細かい伏線のない王道の「行きて帰りし物語」を、テンポのよさや世界観の美しさでまとめ上げています。こういうシンプルな作品は安心しますね。

夜明けまでに帰らなければ死者の仲間入りをしてしまうという時間制限が、ストーリーに緊張感を与えています。

よかったよかった、と視聴を終えられて気持ちいい映画でした。

リメンバー・ミー (吹替版)

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  • 発売日: 2018/05/29
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リメンバー・ミー (オリジナル・サウンドトラック / 日本語版)

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  • 発売日: 2019/04/05
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