ブックワームのひとりごと

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ヨハネ黙示録をテーマにしたトンチキコメディ―ニール・ゲイマン『グッド・オーメンズ』

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グッド・オーメンズ 上 (角川文庫)

今日の更新は、ニール・ゲイマン『グッド・オーメンズ』です。

 

あらすじ・概要

黙示録に予言された「反キリスト」が誕生し、世界の終わり、ハルマゲドンが近づいていた。しかし天使のアジラフェールと悪魔のクロウリーは、人間社会を好きになってしまっていた。ふたりはタッグを組み、ハルマゲドン阻止へ動き出す。一方人間たちも、ハルマゲドンを巡って右往左往していた。

 

こんな人におすすめ

  • トンチキ小説が読みたい人
  • 聖書ネタが好きな人
  • ジョークが好きな人

 

ハルマゲドンに巻き込まれた人間たちのドタバタ劇

あらすじだけを見て、天使と悪魔の中二病系バトルものかと思っていたんですが、実際にはトンチキコメディでした。

ハルマゲドンや女予言者、アグネス・ナッターの本に関わった人間がドタバタしたり、愚行を犯したり、なぜかいい感じに幸せになったり。そのような喜劇的展開が、「ヨハネ黙示録」をモチーフに繰り返されます。おそらく聖書を読んだことがある人ならにやっとできます

キャラクターはみんな社会性や倫理がない問題児ばかりなのだけれど、読み終わるとどうにも憎めなくなってしまうのが上手いです。そしてそんなキャラクターが何だかんだで幸せになれること自体もやさしさを感じます。

 

確かに天使と悪魔は仲良しでブロマンス的にキャッキャウフフしてはいますが、それがメインというわけではありません。圧倒的に一般人に割く文面の方が多いですね。

もちろんクロウリーとアジラフェールが漫才みたいに掛け合いをするところはすごく笑えます。一生やっててほしい。

 

後半になってくると話が長いわりに展開が動かなくなってくるので、少しだれてしまいました。もう少しサクサク動いてくれればよかったですね。

でもトンチキな世界観と問題児ばかりのキャラクター、文章はよかったです。このトンチキ要素が好きになれたら楽しめると思います。

 

ただ、不謹慎の塊みたいな作風なので、キリスト教徒に怒られることに関してはは自業自得だと思います。何かに対して真面目に信仰を持っている人に対してはおすすめしません。

キリスト教の思想全否定してるので、こりゃだめだよなあ……。