ブックワームのひとりごと

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父親の遺産を巡って大騒ぎする三きょうだい―宮本福助『この度はご愁傷様です』

この度は御愁傷様です (モーニングコミックス)

今日の更新は、宮本福助『この度はご愁傷様です』です。

 

あらすじ・概要

放蕩者だった父が死んだ。葬式を終えた三きょうだいと孫、仁は、彼の残した家の片付けのために集まる。そこで見つかったビデオレターから、三人はダーツで遺産分配を決めることに。しかし、父の残したドタバタ劇はダーツだけではなかった。親の死をテーマにした連作短編。

 

こんな人におすすめ

  • 気楽に読める漫画が読みたい人
  • ユーモアが好きな人
  • おじさん・おばさんに共感したい人

 

気楽だけれど引き締まったコメディ

気楽な気持ちで読めるコメディでした。父親の遺産を巡って大騒ぎして、最後はトホホな展開で終わるという繰り返しです。

コメディっぽく描かれてはいるけれど、三きょうだいのキャラクター設定ははどこかにいそうなリアリティがあります。それがまたおかしく、共感してしまいます。

「父親の死」というシリアスなテーマを扱いながらも、明るく楽しく、ちょっと優しい雰囲気で進行するところが面白かったです。それでいて、不謹慎にならない塩梅なのがすごいですね。

 

そんな笑えるタッチの作品なのですが、一方で、まともではない親を持った悲哀も描かれています。

父親の家に入り浸る老人たちに向かって、立ち退きを迫り、雪合戦でけんかをして負けたシーンでの一言がこれ。

「俺たちだって好きでオヤジを嫌ってたわけじゃない」

「親らしいこともしてもらえず」

「遺産ももらえず家ももらえず」

「満足な思い出もない……俺たちは一体なんなんだ……」

(P160)

 面白おかしさの中で、親に対するわだかまりが、この作品を引き締めていました。

この度は御愁傷様です (モーニングコミックス)

この度は御愁傷様です (モーニングコミックス)

  • 作者:宮本福助
  • 発売日: 2014/10/10
  • メディア: Kindle版
 
極楽寺ひねもす日記 (1) (BRIDGE COMICS)

極楽寺ひねもす日記 (1) (BRIDGE COMICS)

  • 作者:宮本 福助
  • 発売日: 2019/06/08
  • メディア: コミック