今日の更新は、長月遥『花冠の王国の花嫌い姫4 縁を結ぶゼラニウム』です。
あらすじ・概要
兄、セリスに大砂漠帝国に嫁ぐことを命じられたフローレンス。イスカと「1年経ったら離縁して戻ってくる」と約束し、フローレンスは帝国に向かった。そこでは、現在の皇帝への反乱が計画されているようで……。フローレンスはイスカのため、国益のため、大陸の平和のため裏工作に奔走する。
砂漠の王宮で反乱阻止
陰謀回でした。アラビア風の王宮で反乱の気配! それを止めようとするヒロイン! というシチュエーション。フローレンスは相変わらずいい性格をしていますね(褒め言葉)。
フローレンスは陰謀のさなかで戦っていくことにためらいがありません。しかも自分から嘘や建前を弄し状況を操ろうとします。砕けた言い方をすると「いいタマしてんなあ~」と笑いたくなります。
そして、そんなフローレンスが状況を打開できない瞬間は、お人好しで素直なイスカが彼女を助けます。この関係のバランスが素晴らしい。
お互いに足りないものを補い合うこのカップル。ストーリーとしても面白いですし、恋愛ものとしてもときめきます。
登場人物たちには思惑の違いや文化の違いがあれど、基本的に頭がよく行動力があります。なのでウジウジ悩んだり落ち込んだりするシーンがほぼありません。サクサク展開が進むので、読んでいて気持ちがいいです。
◎ここからネタバレ◎
2巻で登場したカフィエズが再登場。敵であった彼と共同戦線を張ることに。口調はめちゃくちゃ腹が立つけど有能で、フローレンスと一緒に複雑な気持ちになりました。
基本的に生粋の悪人が少ない作品ですが、カフィエズのようなはっきり「やなやつだなこいつー!!」と思えるキャラがいるとスパイスになっていいですね。
今回はちょっとイチャイチャシーンが多かったですが、イチャイチャといってもフローレンスとイスカ。展開がもどかしいですね。そこがかわいいのだけれど。
この巻も楽しかったので次巻が楽しみです。