ブックワームのひとりごと

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ラストが中途半端だが作画は一級品―惣領冬美『マリー・アントワネット』

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マリー・アントワネット (KCデラックス)

今日の更新は、惣領冬美『マリー・アントワネット』です。

 

あらすじ・概要

オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘、アントワネットはフランスのブルボン王家に嫁ぐことになる。その国王は口下手で会話が続かず、ヴェルサイユ宮殿はしきたりばかりで疲れてしまいがち。しかしふたりはある日の寝室での会話をきっかけに距離を縮める。

 

中途半端に終わるけれどふたりはかわいい

不器用な国王と天真爛漫な王妃が少しずつ愛情を育んでいく漫画……としてはかわいいのですが、いかんせんラストが中途半端に終わってしまいます。ラブストーリーとしてはいいだけにそこは残念。

 

ただ口下手キャラが好きなので、ルイ・オーギュストのキャラクターはほほえましかったです。コミュニケーション苦手なだけで、思慮深く優しいところもあります。アントワネットが彼の美点を少しずつ理解していくところにふたりの愛を感じました。

 

作画はすごいです! 壮麗な宮殿の書き込みは丁寧で、服飾も細かいです。お姫様やら貴族やら、きらきらしたものが好きな人には楽しいと思います。

巻末は登場人物の紹介や解説になっているのですが、そこでちょっとしたキャラクターにも歴史的バックグラウンドがあることがわかります。非常に細かく考証がされていることがわかってよかったです。

 

ストーリー漫画としては尻切れトンボなところがありますが、歴史学習漫画の作画がすごいバージョンだと思えばありかもしれないですね。

マリー・アントワネット (KCデラックス)

マリー・アントワネット (KCデラックス)

  • 作者:惣領 冬実
  • 発売日: 2016/09/23
  • メディア: コミック
 
チェーザレ 破壊の創造者(12) (KCデラックス)

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  • 作者:惣領 冬実
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: コミック