ブックワームのひとりごと

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かわいくて責任感のあるママと誠実な青年のラブストーリー―望公太『娘じゃなくて私が好きなの!?』

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娘じゃなくて私が好きなの!? (電撃文庫)

今日の更新は、望公太『娘じゃなくて私が好きなの!?』です。

 

あらすじ・概要

死んだ姉の代わりに、姪を我が子として育ててきた綾子。そんな綾子は、ある日娘の幼馴染で息子同然に思ってきた青年、巧に告白される。彼は子どものころからずっと綾子を想ってきたのだという。彼の将来を思って、綾子は巧に幻滅されようと策を講じるのだが……。

 

こんな人におすすめ

  • 年の差恋愛ものが好きな人
  •  かっこいい年下青年が見たい人
  • かわいいママが見たい人

 

かわいくてかっこいいママに惚れるの「わかる」

ナイスバディのかわいいママを愛でる作品……というのはもちろんなんですが、このママである綾子のキャラクターがすごく魅力的なんです。

新卒で就職したばかりのときに5歳の姪を娘として引き取り、女手ひとつで娘を高校生に育て上げ、しかもきちんと在宅の仕事をこなしている優秀なワーキングマザー。娘のためにお酒を飲まないようにしたり、作戦の一環でも無駄遣いはできなかったり、責任感を持った女性であることがわかります。

そして優秀な母親が、息子同然に接してきた年下の男の子に恋心を向けられ、困惑しつつも将来のために相手を拒もうとコメディチックにすったもんだします。そのギャップがめちゃくちゃかわいいです。わかるよ巧……これは惚れちゃうもんな……。

 

そして巧も、10歳のときから一途に綾子を思い続けていたけなげな青年です。どれだけ綾子が世間体を並べ立ててもなんのその。その思いの強さにこっちまで照れてしまいそうなほどです。本当にいい子で誠実な男なので、綾子と幸せになってほしいと願ってしまいます。

お色気シーンも結構ありますが、ストーリー上自然な形で挿入されているのと、巧があくまで紳士的に対応するので下品な感じはしませんでした。

 

◎ここからネタバレ◎

 

私も年の差恋愛ものは好きなんですが、「やっぱり年の差は相手のことを考えるとなあ……」という思いがあります。しかしこの作品、そういう倫理をごりごり解決していくのであわあわしつつも爽快感がありました。

主人公は20歳を超えているので淫行ではない、未婚女性が姪を娘としているので不倫ではない、主人公は親を説得して年の差恋愛の了解を得ている、娘は母が青春を捨てて自分を育てたことを知っているので自由に恋愛してほしいと思っている、などなど。

年の差が「倫理的にやばい」と思われる理由を主に主人公の巧が解決してしまっているので、安心して読めてしまうんですよね。もう、きみの思いに読者も負けたよ……。

著者自身があとがきで「ハーレム展開にしない」と意思表明しているのでその部分も信頼できます。

 がぜん読みたくなっちゃったので2巻ももう買いました。

娘じゃなくて私が好きなの!? (電撃文庫)

娘じゃなくて私が好きなの!? (電撃文庫)

  • 作者:望 公太
  • 発売日: 2019/12/10
  • メディア: Kindle版
 
娘じゃなくて私が好きなの!?(2) (電撃文庫)

娘じゃなくて私が好きなの!?(2) (電撃文庫)

  • 作者:望 公太
  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: Kindle版