ブックワームのひとりごと

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カナダ人のパワフルな姑と子育て―小宮マコ・なとみみわ『姑は外国人』

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姑は外国人 (単行本)

今日の更新は、小宮マコ・なとみみわ『姑は外国人』です。

 

あらすじ・概要

カナダ人と恋に落ち、結婚した著者。カナダに引っ越した先で出会ったのは、パワフルな姑だった。図々しくて辛辣で、でもしっかりしていて憎めない。ときに協力し、ときに振り回され、ときにやり返す嫁姑関係を描いたコミックエッセイ。

 

他人が家族になる面倒くささと面白さと

この作品、他人が家族になる面倒くささと面白さを両方描いているところが素晴らしいですね。

姑エレナは自己中心的で、図々しい女性です。記者である著者の取材先についていこうとしたり、日本人幼稚園で辛辣な発言をして引かれたり、いらないものを息子夫婦の家に置いて行ったり……。

しかしながら、孫ザンちゃんのことになると人一倍真面目になります。著者夫婦からまめに子守りを代わり、ザンちゃんが斜頸であることがわかると毎日ストレッチをさせます。

また、図々しいながらも嫁の体を気遣う一面もあります。

著者とエレナが同じ価値観であれば、いらいらすることはありません。ですが、価値観の違う人間だからこそ、助かった部分もあります

そういう面倒くささと面白さ、両方を描いているところがバランスがよくて好きです。

 

カナダにおける異文化コミュニケーションというよりも、価値観の違う人間とときどきいらだちつつもいい関係を保つ話でした。

反面カナダっぽいエピソードはそれほど多くないので、そういう話を期待していた人には物足りないかもしれません。

姑は外国人 (単行本)

姑は外国人 (単行本)

  • 作者:小倉 マコ
  • 発売日: 2013/08/28
  • メディア: 単行本