今日の更新は、『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』です。
あらすじ・概要
映画俳優からモナコの公妃となったグレース・ケリー。窮屈な社交の世界に疲れ、映画の世界に戻りたいと願ってしまう。しかし、そんな彼女を世間はバッシングし……。グレースは、自らモナコのことや社交のことを学び、公妃としてヨーロッパの社交界を生き抜くことを決める。
演じることを自分の強みにする
あまり劇的ではない地味な映画なんですが、個人的には楽しめました。
主人公のグレースが女優であることもあり、ストーリーでは「演じる」ということがテーマになっています。
モナコ公妃になって思い通りに生きられないことに悩むグレースは、公妃らしさを演じることによって次第に王族としての自覚を持ち始めます。ついには国家首脳と渡り合うまでに成長。本物の公妃になっていくのです。
「演じる」ことによって自分が変わる、というとこの記事を思い出します。同人作家なのになぜか人生相談を送ってこられるうた子さんのブログです。
この場合、グレースは「公妃のふりをする」ことで「公妃になった」のでしょうね。一方的に押し付けられた役柄は苦しいだけだけれど、自分の意思でどんな役柄を選ぶか決めることができれば、それは強みです。グレースは自分で自分の役柄を選びました。
モナコのことには詳しくなかったので、モナコのカジノの話や、タックスヘイブンの話は興味深かったです。小国が侵略されずに生き残るには正攻法だけでは無理ですよね……。
私個人としては王族に過剰な責任や義務があることをよく思わない気持ちもあるんですが、それがあるから回っている世界があるのも事実です。一方的になくせと言えるものではないですよね。
グレースという女性の成長譚として面白かったです。