あらすじ・概要
少し弱気だけど優しい夫。彼は実は、成人になってから発症したアトピー患者だった。アトピーをきっかけに離職や休養を余儀なくされながらも、何とかカメラマンとして自立しようとする夫。それを支え、ともに食事制限をしてきた妻から見たコミックエッセイ。
現代社会でアトピーと暮らす困難
著者の夫がアトピーによりストレスフルなSEの仕事を続けられなくなり、寝込んでしまうシーンは他人事ではありませんでした。私も持病で学校をやめたからなあ。
アトピーはストレスによって重症化しやすく、多忙で過酷なSEの仕事をやめることになるのです。
おそらく、こういう風にドロップアウトする人って思った以上にいるんですよね。目立つところに出てこないだけで。
私は医者ではないので、食事療法や無添加の洗剤などの効果については言及を避けます。しかしアトピーはそういう科学的根拠がはっきりしていない方法も使うほどつらく、また現代の医学では解決しない部分も多いのだと思います。
それからこの作品、夫のキャラクターに支えられているところもありますね。
著者が夫の面倒を見るのに嫌気がさして爆発してしまったシーンで、「ごめんね。ボクのために本当にごめんね」と泣く夫に心が詰まりました。
不器用で気弱だけれど、中身はとても優しく、真面目な人だとわかります。著者はそういうところに惚れているんだろうな、というのがわかります。
もちろんエッセイなので脚色はしているでしょうが、そういう人だからこそ読者としても応援できました。