あらすじ・概要
保育士から皇太子妃になったダイアナ。しかしダイアナはチャールズ皇太子と離婚し、1997年に事故で死亡する。映画ではダイアナの恋愛、慈善事業への参加、パパラッチに追いかけまわされる日々を描き、彼女の人生に迫ろうとする。
人の上に立つ素質がない人間を見せられるのは苦痛
これは映画なので、実際のところダイアナがどういう人物だったのかはわからないのですが、映画の中の「ダイアナ」はとにかく人間的な魅力がありません。
恋人である医師の態度に一喜一憂し、慈善活動はするがそれによる「政治的な意味」はあまり考えておらず、しょっちゅう憂鬱になる。
正直、人の上に立つ素質のある人間ではないんですよね。
私は王族ではなく、市井の人間なので、どちらかというと民衆側の視点で見てしまいます。「こんな女性がリーダーシップを発揮しようとすると嫌われるだろうな」と。
普通の人間としては、ある意味リアルではあるのかもしれないですけれど。
というわけで映画としてはおすすめしませんが、パパラッチに追いかけまわされる描写は生々しくてそこはよかったですね。いつもどこへ行ってもカメラのファインダーが自分を見ている恐怖。ノイローゼになりそうです。これに比べたら日本のゴシップ記者はまだましな方ですね(日本も十分悪質ですが)。
ラストのダイアナの死のシーンも、直接的でない形で「死」を表現するのにぞくっとしました。ここの演出は素晴らしかったです。