ブックワームのひとりごと

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性癖てんこ盛りのゆるふわコメディスペースオペラ―道満清明『バビロンまでは何光年?』

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バビロンまでは何光年? (ヤングチャンピオン烈コミックス)

 

あらすじ・概要

地球最後の生き残りだが記憶喪失な青年、バブ。拾ってくれた宇宙人とポンコツ宇宙船で三人で旅をしながら、生存本能に基づいて種を撒いたり鬱になったり。バブは自分の記憶を取り戻すためには、四次元人という時間や空間を自在に行き来する存在に会う必要があると知るが……。

 

ゆるふわだが性癖がすごい

カートゥーンっぽいデフォルメの効いた絵柄で、性風俗、女体化、失禁などちょっとアレな性癖が描かれる作品。

特にTSF好きな人は一回読んだ方がいいと思います。「癖」を感じる。

主人公は作品の途中でナノマシンによって女体化するのですが、その後男や女と寝たり、女の状態で「パパ」になったり、さらっと女の体に適応しているのが逆に面白いです。

それでも下品にならないのは、明るいコメディチックなノリと、不謹慎とまともを行き来する独特の世界観ゆえでしょう。

 

この作品では結構雑な理屈でワープが可能だったり、パーカーが宇宙服だったり、ナノマシンが万能だったりします。

SFとしてはゆるふわであまり考証はされていなさそうですが、「SFっぽいエッセンス」はたっぷり入っているので楽しいです。

宇宙船に乗った男三人の珍道中、宇宙人たちの特殊な生活、四次元人の謎などなど。

元ネタのひとつは「銀河ヒッチハイク・ガイド」ですかね。他にもありそうなのですが、詳しくないのでそれくらいしかわかりません。

 

ただ、男に都合のいい話だと思うので、そういうのが苦手な人にはおすすめしません。かわいそうな男がかわいい女の子に救済してもらっちゃう話です。メインヒロイン、ストーリーに都合がよすぎます。

一方で、むしろそういう都合のいい話をオブラートに包む能力が強いと感じます。コメディの楽しさ、家族愛、男同士のしょうもなくも温かい友情でできているから嫌らしく感じないんですよね。

 

ともすれば不謹慎になりそうなネタをうまくまとめている作品でした。

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