あらすじ・概要
廃電車とともに旅をしているりつ、りん、りなの姉妹。ケムリクサという不思議な草を使い、水を求めて移動している。ある日三人は、わかばという変わった青年と出会う。彼が自分たちを襲ってくる敵・赤虫だと疑っているりんはわかばを警戒し、排除しようとする。
情報を出し惜しみするのはやめてくれ
一言で言うと視聴者にめちゃくちゃ不親切!
いや、つまらないというわけではないです。世界観とか姉妹のやりとりとか面白い部分もありました。
しかし何でここまで情報を出し惜しみする!?
私はこの1クールしか見てないですけど、これ絶対めちゃくちゃ細かく設定ある作品ですよね。でも設定がいつもわかりそうでわからないです。
説明的な描写を入れるのが嫌なんだろうなというのはわかるんですが、わかばは好奇心旺盛なキャラだから姉妹にいろいろ質問してもおかしくはないし、姉妹もそこまで隠し立てするような性格とは思えません。それなのに説明しないのは逆に違和感があります。
そしてラスト2話でいろいろな事実が明かされましたけど、伏線の回収が一気すぎます。
・姉妹が何者か
・わかばが何者か
・死んだ姉妹の行方
・この世界は何か
・ムシたちの正体
これらを一気に答え合わせします。
どう考えても詰め込みすぎ。情報には優先順位をつけてメインテーマに関係の薄いものは早めに伏線回収してください。
あと、SFやファンタジーを読むとき、「この世界ではどのくらいのでたらめが起こりうるのか」というのが早めにわからないとこっちも感想が言いにくいんですよ。『銀河ヒッチハイク・ガイド』と『幼年期の終わり』では全く心構えが違うわけです。
それすらもわからないせいでケムリクサの新しい使い方が見つかるたびに「いやそんな新しい機能見せられてもそれが世界観の中でどれほどの力なんかわからんしな……」と思うわけです。「この世界法則がめちゃくちゃで死者が行き返る世界だったらどうしよう」と見ながら思ってましたしね。
全体的に「二次創作をやってた人が試しに描いてみた一次創作」みたいな感じでした。
けものフレンズも刀剣乱舞もそうですけど、擬人化ものってキャラクターのこと詳しく説明する必要ないんですよ。ファンが元ネタを調べてくれるから。擬人化を「1.5次元」と呼ぶ人がいるように、かなり二次創作に近いジャンルです。
二次創作っていちいちキャラクターや世界観のことを説明する必要はなくて、書きたいシーンだけ描いていてもなんとなくわかってもらえます。
でもケムリクサはオリジナルの世界観で、オリジナルのキャラクターで、二次創作みたいなことをやってしまった。それが私にとっては不満でした。
面白い部分もあっただけに、いろいろと残念な作品でした。