あらすじ・概要
伊里野と浅羽の初めてのデートの顛末とは……。そして新聞部に入部した伊里野。しかし彼女は学校を休みがちで、クラスの皆になじめずにいた。そんな中、文化祭「旭日祭」が近づいてきた。伊里野のことを心配しながら、浅羽は新聞部の展示を制作していた。
暗喩がわかりやすくて萎える
1巻でも言ったんですけれどやっぱり展開が遅いですね。ちょっとした心理描写でもねちねち書いています。
例えばセミの死骸が出てくるシーンがあるんですけど、ものすごく描写が丁寧すぎて「あーこれはイリヤが『死ぬ』暗喩なんだな」とはっきりわかってしまいます。ここまでわかりやすいと逆に面白味がないです。
ラブコメ自体も「一昔前のラブコメ」感が強くてあまり楽しめていません。そう、一昔前であればめちゃくちゃ面白かったんだと思うんですが、現代の感覚では倫理のない描写・ベタすぎる青春シーンにうへえとなってしまいます。
と文句をいろいろつけてしまったんですが、面白い部分もありました。じわじわと日常を侵食していく戦争の気配がかなりホラーです。このうっすらした不穏がこの作品の肝なんでしょうね。
特に怪談めいた話題が展開される回は不穏さ100%で面白かったです。死体洗いのエピソードに破滅的な世界観が合わさってぞわぞわしました。
これからの展開そのものは気になるんですけど、文句を言いながら読み続けるのも何だし、どうしましょうかね?