ブックワームのひとりごと

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やっぱり展開が遅いなこのシリーズ―秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その2』

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イリヤの空、UFOの夏 その2 (電撃文庫)

 

あらすじ・概要

伊里野と浅羽の初めてのデートの顛末とは……。そして新聞部に入部した伊里野。しかし彼女は学校を休みがちで、クラスの皆になじめずにいた。そんな中、文化祭「旭日祭」が近づいてきた。伊里野のことを心配しながら、浅羽は新聞部の展示を制作していた。

 

暗喩がわかりやすくて萎える

1巻でも言ったんですけれどやっぱり展開が遅いですね。ちょっとした心理描写でもねちねち書いています。

例えばセミの死骸が出てくるシーンがあるんですけど、ものすごく描写が丁寧すぎて「あーこれはイリヤが『死ぬ』暗喩なんだな」とはっきりわかってしまいます。ここまでわかりやすいと逆に面白味がないです。

 

ラブコメ自体も「一昔前のラブコメ」感が強くてあまり楽しめていません。そう、一昔前であればめちゃくちゃ面白かったんだと思うんですが、現代の感覚では倫理のない描写・ベタすぎる青春シーンにうへえとなってしまいます。

 

と文句をいろいろつけてしまったんですが、面白い部分もありました。じわじわと日常を侵食していく戦争の気配がかなりホラーです。このうっすらした不穏がこの作品の肝なんでしょうね。

特に怪談めいた話題が展開される回は不穏さ100%で面白かったです。死体洗いのエピソードに破滅的な世界観が合わさってぞわぞわしました。

 

これからの展開そのものは気になるんですけど、文句を言いながら読み続けるのも何だし、どうしましょうかね?

イリヤの空、UFOの夏 その2 (電撃文庫)

イリヤの空、UFOの夏 その2 (電撃文庫)

  • 作者:秋山 瑞人
  • 発売日: 2014/03/26
  • メディア: Kindle版
 

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