あらすじ・概要
私たちを取り巻く世界とは、いったい何なのだろうか。「哲学」「政治」「民主主義」など、「○○とは何か」という問いの答えを哲学の名著の中から探す。多様化・複雑化する世界の中で、哲学がどう人間と社会を見て来たかを語っていく。
これって本当に入門書ですか?
入門といいつつあまり入門らしくない本でした。そもそも対象が思想書を日常的に読むような人間だと思います。
まず著者は「日本の人文思想界はこういうところが間違っている」という話を頻繁にするのですが、こっちは「日本の人文思想界」の文化や雰囲気を知らないので、間違っていると言われてもそれが正しいのか判断ができません。この部分に「そうだそうだ」と思えるのなら初心者ではないでしょう。
その一方で、内容としては民主主義、刑罰などのトピックから個々の哲学者たちの思想、哲学者たちの著書から引っ張ってきた文章の解説などを展開していきます。
が、これも実際にその著書を読まないと判断しかねる部分が多く、何もかも話半分に聞いてしまいました。
この本一冊だけ読んでも「著者が自分の都合のいいように誘導してるんじゃないか」という疑いが消えないですね。それを確かめるには他の本を読んでみるしかないし、別にこの本で入門しなくてもよかったな、と。
まとめると「この本の良しあしがわかるほど哲学に詳しくないわ」というのが結論です。
でもそれを踏まえてもコンセプトがいまいちわからないですね。どこを対象としているんだ。