あらすじ・概要
格安航空のチケットを手に入れた著者は、マレー半島のおいしいものを食べる旅に出る。現地に滞在する友人と出会いながら、その土地独自の料理を食べていく。そこには、マレー半島の文化があった。
気楽にだらだら食べ物について読める
Primeリーディングで読んだKDP本。前回の記事はこちら。
ひたすら食べているだけのイラストエッセイです。気楽に読めるタイプの本。
私は東南アジアの食べ物がちょっと苦手なので「おいしそー!」とはならないんですが、いろいろな種類の食べ物が丁寧に描かれていて面白いです。
世の中には自分の知らない料理がいっぱいあるんだな、ということを教えてくれます。特に中華系の文化ともともとマレーシアに住んでた人々の文化が交じり合っているのが楽しいです。
ほとんど観光のシーンはなく、ひたすら、「食」について描かれているから看板に偽りなしです。タイトルに惹かれた人は読んで損はないと思います。
と、のんびり読んでいたんですが、巻末のQ&Aコーナーで素敵な言葉を見つけました。
Q「なんで旅するの?」
A「いろいろあるけど一つは『これって、こうじゃなかったの?』という思いをたくさん集めたい。そうやって自分の身に着けた価値観や常識が絶対じゃないと知りたいって欲望がある。知らぬ間にインストールしてしまった価値観に自分が縛られているってことを自覚したい。自覚すればするほど自由になる気がするから」
この言葉、そのまま私が本を読み続ける理由なので嬉しくなりました。自分が普通だと思ってることが普通じゃない、と気づいたとき、卵の殻がむけるようにすっきりすることがあります。そうなんだよ、知識は自由をもたらしてくれるんですよ。
作品としては深く考えずだらだら読めるものですが、この言葉に出会えてよかったです。