あらすじ・概要
アメリカの男性、カートは、キックボクサーの兄に連れられてタイにやってくる。そこで兄はタイの王者トン・ポーに敗北し、体に障害が残ってしまう。カートは復讐を決意し、達人キサン・チョウに弟子入りした。過酷なトレーニングに耐え、カートはトン・ポートの決戦に備える。
白人男性をちやほやするためのシナリオ
白人男性向けの自己投影チート小説みたいな映画でした。
外国人である自分をちやほやしてくれる周囲、邪悪でいい感じに負けてくれる敵。主人公に都合のいいキャラしか出て来ません。
タイの人々の描写もステレオタイプで、大人しくて一途なトロフィーガールや、古来の技を教えてくれる師匠(中国混ざってません?)を見ているとありがちでちょっと引きますね。
そもそも外国人がその国のトップスポーツ選手を負かすっていうのは、大々的には喜ばれないですよね。大相撲見てたらわかる。
一方で、この作品が面白くないかというと、それが結構面白いんですよね。なぜかというとわかりやすいから。
どんでん返しもなく筋書き通りに進み、そしてその筋書きに無駄がありません。ステレオタイプも、説明を省略するために功を奏してしまっています。
ただその「わかりやすさ」によって、そぎ落とされて無視されているものもたくさんある、と感じてしまいます。私はアジア人で、タイの人の肩を持ちたくなるから……。
エンタメ的わかりやすさと、偏見やステレオタイプは紙一重だと感じました。